まっさら

昨日、大学時代の友人の初舞台を見に行きました。お謡(うたい)の舞台です。友人は目が不自由で、大学時代は盲導犬と共に教室で学んでいました。その彼女が、最近になって仕舞と謳を始めたというのです。いつから興味を持っていたのか詳しいことはわかりませんが、その好奇心、行動力、素晴らしいなぁ! 

演目は「鶴亀」(おめでたそう♪)。サポートの方と共に登場し、ゆったり座ると舞台の真ん中にひとり。長い謡を吟じました。始めたばかりだなんて思えない、落ち着いて堂々とした姿。その声は伸びやかで濁りがなく、努力家の彼女が声に表れているようでした。

終わってそっと席を立つと、大学時代の別の友人の姿を発見。ベビーカーと小さな女の子の手を引いていました。お孫さんです。会場の外で声をかけてご無沙汰の挨拶を交わして一緒に出口へと歩き始めると、4歳の小さな女の子がスッと私の方に手を伸ばして来て、手を繋ぐことになりました。

小さな柔らかい手。

友達と話しながら、そのふわっと温かい感触と女の子が私の手をためらいなく取ったことにちょっと不思議な心地よさを感じていました。初めて会った未知の大人の手に自分から手を伸ばし、当たり前のように繋いだ小さな女の子。警戒心や遠慮や余計な考えなんてなくて、真っさらで無防備。子どもって本来そういうものなのかもしれないけれど、あらためて無垢のパワーに心動かされました。「これからたべっ子どうぶつの映画を観に行くの!」という彼らと別れ、じゃあまたねとサヨナラした時の友の目が、澄んでキラキラとてもきれいでした。

朝から「真っさら」の3連発で清めてもらったよう(笑)。その後の時間がゆっくり過ぎて、充足感のある日曜日になりました。