プロトマニアの荒川陽子です。
最近びっくりしたこと。それは、九段下のホテル・グランドパレスが6月いっぱいで営業終了!ってこと。
グランドパレスは、プロトマニアのすぐ裏にある中堅?ホテル。1972年開業で、有名な金大中事件の現場となったホテルです。(金大中事件を知らない若者は、ググってみてくださいね)
プロトマニアが入っているビルは、もとは私の母方の祖母の家でした。それで、子どもの頃から親戚の集まりなど何かと言うとグランドパレスを利用していたのです。ホテルなのに泊まったことがない(笑)失礼な利用者ですが、このホテルのオレンジケーキ、コーンブレッド、ケーキ類はなかなか美味しくて、今もよく買っているのです。残念だなぁ。コロナ禍や建物老朽化のせいかなぁ。
そういえば、九段会館も一時は壊されてしまうのではないかと思いましたが、ここは特徴的な建築様式を残しつつ地上17階建てのビルへとリニューアル工事中。2011年の震災で天井が落ちて廃業、どうなるのかなぁと見守ってきたけれど、歴史を感じる建物の一部が残ることを知ってほっとしたものです。九段会館は結婚式場でもあったので、思い出のある方が多くいらっしゃることと思います。
九段会館の横を通るたびに私の母は、「ここは昔、軍人会館だったのよ、宮城(皇居のことです)のこのあたりは私の庭!」と威張っていたものです。
そんな母は、ひと月ほど前、91歳の誕生日を目前に天寿を全うして旅立ちました。青空に戻ったのか星になったのか。昭和ひと桁生まれの母は、戦前、戦中、戦後という時代の大きな変化の中でよく学び、よく働き、よく生きたと思います。
母と私の介護生活が終わり、日常生活を新しく組み立て直しです。そしてプロトマニアがあるのはこの母のおかげ、プロトマニアも変化の時を迎えているのだと思います。
この世界は変化し続けるものだけれど、思えば私は「ずーっと変わらないもの、絶対に変わらないものは何?」と真理の探求を始めたのでした。若い私は、変化することにワクワクしながら、同時に切なく悲しく不安で、何か絶対的な確かなものを掴みたかったのだと思います。
九段のプロトマニアで思う存分「私とは何か?」「不変の本質とは何か?」を探究し、母の最期の数ヶ月は本質と日常が組んず解れつして、とうとう最期にぎゅうっと抱きしめあったような感じがします。
母が旅立った朝、母は私の胸の中にぽんっと入って来ました。何も変わらないけれど何かが変わって、これからも人生は続くのですが、先は見えない。でも、どこか安心しています。きっとだいじょうぶだって。
All is well !
みんな、だいじょうぶ。
