予告*11/24(日)開催『ポロック以降、抽象表現主義のスターたち』中尾先生美術鑑賞白熱講座

 

今日の東京は冷たい雨の一日でした。なんとなく世界中がザワザワしているような感じがしますが、そんな時には深呼吸しながら、少し速度を落として心静かに笑顔でいたいものですね。

さてさて、10月の中尾先生アートレクチャーが終わりましたが、先生からは11月の講座のご案内が早速届きました。

中尾先生の素敵なところは、このフットワークの軽やかさとドンと落ち着いたクマさんっぷりです。アートレクチャーはそんな先生との時間です。初めての方も楽しく過ごしていただけること請け合いですので、ぜひ遊びにいらしてくださいね。では、先生から!

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第66回《〜これまで誰も教えてくれなかった〜『絵画鑑賞白熱講座』》

ポロック以後、抽象表現主義のスターたち

 

 

ジャクソン・ポロックいかがでしたか?

 

ヨーロッパではマレーヴィチの白いカンヴァスに白の正方形の発表で、絵画の極北まで行ってしまった感のあった抽象絵画の世界ですが、海を越えたアメリカでポロックがドリッピングというまったく新しい発想の技法とともに登場したことにより抽象表現主義という新たな地平が開けました。

 

ポロックは彼のルーツとも言える西部の開拓者のように、現代絵画のフロンティアで悲壮なまでに新しい絵画への挑戦を続けましたが、アルコール依存症の果てに44歳の時に、自動車事故であっけなく亡くなってしまいます。

 

しかし、抽象表現主義の灯がそれで消えてしまった訳ではありません。抽象表現主義というのはかなり包容力のあることばで、ポロックよりも少し上の世代と下の世代の様々な主張とスタイルのアーティストを巻き込んで、戦後アメリカ美術のメインストリームとして広範囲に展開して行きます。

 

ここに一枚の写真があります。

1951年の1月15日のライフ誌に掲載されたニナ・リーン撮影の《怒れる者たち》というタイトルの写真です。ここに写っている面々は当時のアメリカの前衛美術のスターたちです。彼らは何に怒っているのでしょうか?

 

それは次回の講座でお話しするとして、ここに写っている18人は全員アーティスト(画家)です。真ん中にポロックがいますね。後列左端にいるのはデ・クーニング、一人おいてアド・ラインハート、真ん中にいるポロックの右隣がクリフォード・スティル、その隣にロバート・マザウェル、前列中央にいるのがバーネット・ニューマン(2013年まで彼の《アンナの光》という傑作が川村記念美術館に所蔵されていましたが、財政難解消のため103億円で売却されてしまったのは記憶に新しいところですね!)、右端にいるのがマーク・ロスコです。

 

次回は上に名前を挙げたアーティストやポロック夫人のリー・クラズナー、ロバート・マザウェル夫人のヘレン・フランケンサーラーなど、ポロック以後の抽象表現主義のスターたちの個性豊かな作品を鑑賞します。

 

ヘレン・フランケンサーラー《Open Wall》136.5 x 332 cm  Helen Frankenthaler Foundation

バーネット・ニューマン《アンナの光》 276 x 611cm 1968年

 

マーク・ロスコ 《Light Red Over Black》230 x 152 m  1957年  テート

 

ヴィレム・デ・クーニング 《女 I 》192.7 x 147.3 cm  1950-52年 MoMA

 

 

 

*何を感じるか? どう感じたか? を言葉にしてみる〜

中尾陽一主宰 『これまで誰も教えてくれなかった〜絵画鑑賞白熱講座〜』

「ポロック以降、抽象表現主義のスターたち」

2019年11月24日(日)13時から15時30分(ティータイム休憩あり)

お申し込みは、ちらからどうぞ→