ルーベンス〜中尾先生と。

 

8月の中尾先生のアートレクチャー、日曜日に開催しました。

今月は巨匠中の巨匠と言われる、ペーテル・パウル・ルーベンス(1577年〜1640年)。

ルーベンス〜中尾先生

最初にいつものようにスライドでサッと作品を見て、ルーベンスと言えば何?という質問からスタート。

ルーベンスと言えば?・・・

 

ルーベンス〜中尾先生

「フランダースの犬!」

・・・と、ある世代からはやはりコレですね。かわいそうな少年ネロがどうしても見たかったのは、教会にあったルーベンスの絵でした。

それはちょっと置いておいて(笑)。ルーベンスは、名前はみんなよく知っているけれど、代表作は?と言われるとすぐに思い浮かばない。でもすごい画家らしいということは、みんな知っているんです。ではどこがすごいのか?というのを中尾先生がいろいろな方向から解説してくださいました。

ルーベンス〜中尾先生

ルーベンス自画像。

 

ルーベンスの凄さの一つは、色の美しさ。

技法がすごかったんですって。油彩画は年月と共に退色していくのですが、ルーベンスの作品はとにかく新鮮な輝きに満ちている。

それはなぜか?というお話から、油彩の成り立ちについて先生から丁寧な説明がありました。油絵の具は鉱物と油でできている〜その油が酸化するから色が悪くなる〜・・・という具合にね。作品は、パッと見た印象で鑑賞するのも楽しいですが、その絵に使われる素材、その性質、描き方など、印象の元になる技術に着目するのも面白いですね。

 

ルーベンスの凄さはいくつもあるのですが、どんな主題の絵でも完成度が高く、絵の中の空間構成が複雑でありながら完璧、細部まで描いていながら全体のバランスが崩れない・・・などなど、ひと言で言うと、

非の打ち所がない

ってこと。

ルーベンス〜中尾先生

これはルーベンスの風景画ですが、これを見た時、ワタクシちょっと息を飲みました。スライドなのに。この写真では伝わりにくいですが、手前の木々のくっきりした立体感と奥へと続く奥行きの深さのすごいこと!

 

ルーベンスは画家に留まらず、外交官としても活躍したそうです。組織力もあるし人脈もあり、もちろん画家としての技量も高い。神様からギフトを受けた人なんでしょうね〜

「ルーベンスは幸せな人だったし、周りの人も幸せにした人でした」と先生。

 

ルーベンス〜中尾先生

中尾先生の講座を続けて受けていると、先生が講座で伝えてくださる時代背景や同時代に生きた他の画家が明確にイメージできるようになって来ます。例えば「ヨーロッパのあの国であの人がこうしていた時、ルーベンスはこんな地位とこんな活動をしていたんだなぁ」と、気がつけば全体が繋がって見えるようになっています。知識で追う美術の流れとは違って、もっとダイナミックな把握ができるようになっている。楽しみながら知らないうちにちょっと賢くなった気分(笑)

ルーベンス〜中尾先生

では結論。

「ルーベンスは全てがすごいので、どこがすごいかはわからない」(笑)

・・・つまり、ルーベンスは「ルーベンスだから」すごいんですね、先生!

 

いつも笑い声と率直で飾らない皆さんの声が飛び交う、これまで誰も教えてくれなかった絵画鑑賞白熱中尾流です。

 

ルーベンス〜中尾先生@プロトマニア

プロトマニアのある九段中坂は、駅から徒歩2分〜♪

 

次回は、

 

9月23日(日) 「レンブラント」 13時〜15時30分

 

一度、ぜひご一緒しましょう〜 気楽〜に楽しめる、本格美術へのひと時です。