ミューズ、キキ〜中尾先生と。

連日暑いですね〜〜。みなさま、お変わりありませんか?

先の日曜日は、中尾先生のアートレクチャーでしたが、この暑さで熱中症になってしまった方などいらして、この暑さと身体の異変は、まさに人ごとではありませんでした。そんな訳で、珍しく少人数の白熱教室となりましたが、これはこれでまたゆったりいい雰囲気でしたよ〜

 

7月中尾流キキとエコール・ド・パリの画家たち

最初に先生から「せっかくだから、ご自身とアートの関わりをお一人ずつ教えてください」と促され、どんな風にアートと出会って来たか、楽しんでいるか、という告白おしゃべりタイムがありました。普段の中尾流ではそんなことをみんなで話さないから、子どもの頃のお話から美術を巡るみなさんの面白いエピソードが伺えて、とても楽しかったです。私もちょっと喋っちゃいました。

さて、7月は「キキとエコール・ド・パリの画家たち」というテーマだったので、このキキという人物はどんな人だったのか?をスライドで見てみました。

 

7月中尾流キキとエコール・ド・パリの画家たち

マン・レイの写真のモデル、キキ。

 

キキは、壮絶な人生を送った女性です。1901年生まれで52歳で亡くなっています。(日本で言うところの明治女?!)

私生児として生まれ、幼い頃から働きに働かされ、12歳でパリに出ます。様々な底辺の仕事をしながら迎えた時代が、ちょうどモンパルナス狂乱の時代と言われるレ・ザネ・フォル。第一次世界大戦が終わったバブル期で、混乱と混乱の間のちょっとした平和の時でもありました。

キキは16歳。モンパルナスで芸術家たちのミューズとなりました。カフェ、ナイトクラブ「ル・ジョケー」で女優、歌手として活躍しながら、エコール・ド・パリの芸術家たちのモデルを務めました。27歳の時には自ら絵も描き始めたそうです。

中尾先生が Youtube でキキの歌声を聴かせてくださいました。落ち着いた素敵な歌声。エディット・ピアフみたい。

マン・レイやキスリング、藤田嗣治などのモデルを務めたので、みなさんもきっと作品をご覧になったことがあると思います。

7月中尾流キキとエコール・ド・パリの画家たち

この写真はマン・レイの作品ですが、モデルがキキ。マン・レイとの恋人関係は長く続きました。

藤田嗣治は、キキをモデルにした作品で一夜にして有名画家になりました。藤田はその時に得たお金をキキにも分けて渡したそうです。するとキキは、貴婦人のようにすっかり美しく着飾って、藤田の前に現れたとか。(宵越しの金は持たないのか?)

そんなキキは、お金をもらうとみんなのために使ったり、分け与える人だったそうです。キキは貧しい生活で苦労もしていますが、貧乏でも幸せ、苦しくても幸せ、そんな生き方です。

大きな目と尖った鼻がキキのシンボル。すごく美人でもないけれど、芸術家たちの感性を触発し、たくましくひとりで立っていた女性です。

貧しく生まれ、女性の仕事といえば下働きか娼婦。生きるのは困難な時代でしたが、そんな時代に、朗らかに屈託無くおおらかに自らの人生を生き切った女性でした。

キキが描いた絵もすごくチャーミングでしたよ!

7月中尾流キキとエコール・ド・パリの画家たち

 

中尾先生の絵画鑑賞講座は、いつもとても自由。画家や作品の良し悪し、美術史だけにフォーカスするのではなく、周辺のエピソードから時代背景まで様々な角度から芸術に触れます。芸術作品に触れることで私たちの記憶、感情、感性思考が動いたり揺さぶられるのは、芸術が芸術家という一つの生きた生命から生まれたものだからですね。

堅苦しくなく、知識を増やすばかりでもなく、先生からの一方通行でもない中尾先生の講座は、何か発見や驚き、喜びがあります。

 

8月のテーマは、フランドルの巨匠「ルーベンス」。先生のご案内文が届きましたら、またお知らせします。ぜひ一度、プロトマニアの中尾流、遊びにいらしてください。

芸術と向き合う時間は、無くても生きていけるけど、あれば人生の豊かさが増すこと、請け合い! どんな困難な時にもきっと力をくれると思います。皮下脂肪みたいにね〜〜♪

 

今日もさりげなくお洒落なオレンジのシャツ姿、中尾先生。

 

*知性も感性もいっぱい使って美術は楽しむもの!中尾流〜♪

2018年8月26日(日) 13時〜15時30分

〜これまで誰も教えてくれなかった〜絵画鑑賞白熱講座「ルーベンス」

 

お申し込みは、こちらからどうぞ→