10月の絵画鑑賞白熱講座は、スペシャルで現在開催中の展覧会を取り上げます。新宿SOMPO美術館で開催中の《モーリス・ユトリロ展》です。先生のご案内にあるように、今回のスペシャル感は、出品作品のなかにパリのポンピドゥー・センター所蔵作品がたっぷりあること。ユトリロは日本での展覧会も多く、皆さんにもお馴染みの画家かもしれませんが、中尾先生の解説で今回の展覧会の見どころをしっかりおさえちゃいましょう!
それでは先生からのご案内をどうぞ〜
【講座の内容】
10月の絵画鑑賞白熱講座は新宿のSOMPO美術館で開催中の《モーリス・ユトリロ展》を何倍も楽しむためのスペシャル講座です。
この展覧会の最大の特長はパリのポンピドゥー・センターから10点の作品が貸し出されていることです。
ユトリロは日本で特に人気のある画家で、日本の美術館やプライベートコレクションにもかなりの優品が揃っています。そんな訳で近年日本で開催された展覧会にポンピドゥー・センターのユトリロが展示されることはなかったので、今回の展覧会はそれらの作品を鑑賞できる貴重な機会だと言えます。

ラパン・アジル 1910年
ポンピドゥー・センター所蔵

廃墟の修道院 1912年
ポンピドゥー・センター所蔵
ユトリロの人生はたくさんのエピソードに彩られています。奔放な生活を送る母親シュザンヌ・ヴァラドンに顧みられず、11歳でアル中になり、その治療のために絵を描き始めたというエピソードは有名ですね。
また、ユトリロが26歳の頃に親友となったボザール卒の若き画家アンドレ・ユッテルとヴァラドンは愛人関係になり、後に二人が結婚することによって、ユトリロは年下の継父を持つことになります。そして、ユッテル、ヴァラドン、ユトリロの3人はユトリロの絵を売って稼いだお金で常軌を逸した贅沢三昧の日々を送ることになります。
ユトリロの画風は、初期の「モンマニーの時代」、もっとも充実したと言われる「白の時代」、それに続く華やかな「色彩の時代」に大別されます。今回の展覧会もこの区分に従った構成になっています。それぞれの時代の特徴をしっかりと理解しながら、ユトリロの人生の変遷と画風の変化を楽しみましょう。
私は過去に何度かユトリロやユトリロの母親シュザンヌ・ヴァラドンの展覧会を企画したことがあります。この時の経験やエピソードもまじえながら他では味わえないオリジナルなユトリロの鑑賞講座を皆さんと作り上げたいと思います。

モーリス・ユトリロ展 1998年

ユトリロとヴァラドン展 2000年
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※ この講座は絵の知識を競うものではありません。絵を見る力が自然に身につく楽しい講座です。
※ いわゆる美術史の流れを知らなくても、その場で向き合った絵をどう感じたか、どう見るか、そしてそれをどう自分の言葉にするかを「わいわいがやがや」 の寺子屋スタイルで学びます。
※ 通史的な講座ではありませんので、いつからでも、興味のある画家の講座の時だけでも、 お気軽にご参加ください。
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中尾陽一
国際美術展プロデューサー
早稲田大学大学院修士課程終了(西洋美術史専攻)
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10月26日(日)13時〜15時 第132回これまで誰も教えてくれなかった〜絵画鑑賞白熱講座 (対面とオンライン)
スペシャル《モーリス・ユトリロ展》(SOMPO美術館)をもっと楽しむ!
|講師|中尾陽一
|会場|プロトマニア
|参加費|5,500円(税込)/7,700円(税込テキスト付き)
*オンライン 2,200円(税込 聴く+チャット)/ 4,400円(税込テキスト付き)