9月の絵画鑑賞白熱講座は、新しいシリーズで日本画を鑑賞します。先生のご案内文にあるように、日本画という言葉は「洋画」に対して生まれた言葉。あ、そうなんだ?と面食らいませんか?だって、日本画も洋画も当たり前に使っていて、あえて意味なんて考えたことがない。そのあたりからして、今の私たちの前提を見直して、近代日本における美術、ここでは絵画の「生い立ち」を中尾先生の解説で理解して鑑賞していきたいと思います。当たり前を疑ってみるって、新しい発見がありそうでワクワクしませんか? それでは先生からのご案内をどうぞ〜
【講座の内容】
今年の6月まで全10回にわたって開催したシリーズ・《日本洋画の流れと俊英たち》と対をなす新シリーズ《近代日本画の流れと俊英たち》が9月から始まります。対をなすというのは、「日本画」という言葉が「洋画」という言葉に対して明治になってから生まれたものだからです。
「日本画とは何か?」という問いに対する答えは一様でなく、近代日本美術の大命題でもありますが、このシリーズでは近代日本画の流れをエピソードを中心にご紹介しながら、できるだけ多くの関連作品を見ることによって、その答えを探って行こうと思います。
シリーズ第1回目の講座では、お雇い外国人教師・哲学の専門家として来日したフェノロサ(1853 – 1908)がなぜ近代日本画の成立にかかわるようになったのか、そしてフェノロサの目指した日本画の革新運動が、伝統的な狩野派の画家であった狩野芳崖(1828 – 1888)にどのように影響を与え、近代日本画の金字塔「悲母観音」に結実したのかを紐解いて行きます。

アーネスト・フェノロサ

狩野芳崖 悲母観音 1888年(明治21年)
重要文化財
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※ この講座は絵の知識を競うものではありません。絵を見る力が自然に身につく楽しい講座です。
※ いわゆる美術史の流れを知らなくても、その場で向き合った絵をどう感じたか、どう見るか、そしてそれをどう自分の言葉にするかを「わいわいがやがや」 の寺子屋スタイルで学びます。
※ 通史的な講座ではありませんので、いつからでも、興味のある画家の講座の時だけでも、 お気軽にご参加ください。
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中尾陽一
国際美術展プロデューサー
早稲田大学大学院修士課程終了(西洋美術史専攻)
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9月28日(日)13時〜15時 第131回これまで誰も教えてくれなかった〜絵画鑑賞白熱講座 (対面とオンライン)
新シリーズ『近代日本画の流れ(明治前期 1 ) フェノロサと狩野芳崖の《悲母観音》』
|講師|中尾陽一
|会場|プロトマニア
|参加費|5,500円(税込)/7,700円(税込テキスト付き)
*オンライン 2,200円(税込 聴く+チャット)/ 4,400円(税込テキスト付き)