昨日は5月の中尾先生絵画鑑賞白熱講座でした。シリーズで鑑賞している日本の洋画がいよいよ昭和に入っております。昨日は、アメリカで《アメリカを代表する画家》と言われた日本人、国吉康雄という画家を鑑賞しました。日本人でありながらアメリカを代表する画家と言われ、アメリカの名だたる美術館に作品が収蔵されている画家です。戦前、戦中、戦後を生き、全米画家協会の会長として当時の画家たちの生活を守る立場にあった国吉。それでも国籍は最後まで日本・・・。画家の生きた時代を知り、画家の人生と作品をじっくり観ることで鑑賞は深くなり、観る目が養われていきます。
さてさて、そして6月はさらに昭和の洋画です。ここに登場する画家たちは、銀座の画廊でも作品を見ることができるし、もちろん美術館の常設展に行けば実物を鑑賞できます。目の前で絵を観ることとスライドを使った鑑賞の両輪で、絵画の豊かな世界を旅してみてはいかが?
では、先生からのご案内文です。
【講座の内容】
昭和の洋画(1)で紹介した佐伯祐三、前田寛治、里見勝蔵らの「1930年協会」は短期間で目覚ましい発展を遂げながらも、佐伯、前田らの相次ぐ夭折により1930年の第5回展を持って解消しました。
そして同じく1930年には彼らの遺志をついで、既成の美術団体からの独立を唱える「独立美術協会」が発足します。
この会は当初、日本のフォーヴを代表する里見勝蔵、児島善三郎、高畠達四郎らとシュールレアリスム的表現を追求していた福沢一郎、三岸好太郎らがメインストリームを争いましたが、苛烈な内紛の末に里見も福沢も会を去ります。その後、児島善三郎が提唱した日本的洋画を追求する「新日本主義」と呼ばれる洋画が隆盛を見ます。
昭和の洋画(4)では昭和初期から現在まで日本の洋画の発展に多大な影響力を持った「独立美術協会」のスターたちの作品を鑑賞します。

里見勝蔵 少女 1935年

林武 裸婦 1931年

児島善三郎 アルプスへの道 1951年

福沢一郎 よき料理人 1930年

三岸好太郎 猫 1931年

北脇昇 独活 1937年
講師:中尾陽一
※ この講座は絵の知識を競うものではありません。絵を見る力が自然に身につく楽しい講座です。
※ いわゆる美術史の流れを知らなくても、その場で向き合った絵をどう感じたか、どう見るか、そしてそれをどう自分の言葉にするかを「わいわいがやがや」 の寺子屋スタイルで学びます。
※ 通史的な講座ではありませんので、いつからでも、興味のある画家の講座の時だけでも、 お気軽にご参加ください。
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【講師の紹介】

中尾陽一
国際美術展プロデューサー
早稲田大学大学院修士課程終了(西洋美術史専攻)
【展覧会企画】
アート・ライフ、イデア・ジャポン、ウーゴズという3つの展覧会企画会社で、美術館を対象とした国際美術展のプロデューサーとして、数多くの展覧会を日本と海外で企画する。
企画した展覧会:モディリアーニ展、ユトリロ展、ルオー展、ルドン展、ミロ展、シスレー展、ブーダン展、クールべ展、ラファエル前派展、ビアズリー展、スコットランド国立美術館展、ヴェネツィア派展、タピエス展、ホックニー展、ジム・ダイン展、ロバート・メイプルソープ展、キース・ヘリング展、百花乱々展(メープルソープ&アラーキー)、パリで開催されたルオー展、韓国でのモディリアーニ展など多数
【絵画鑑賞講座】
展覧会プロデューサーとして様々な美術館、アート作品に直に接してきた経験をもとに、2011年からオリジナルの絵画鑑賞講座(《これまで誰も教えてくれなかった『絵画鑑賞入門講座》、2018年からは『絵画鑑賞白熱講座』に改称)の開発を手がける。
これまでにオリジナルのアート鑑賞講座をリアル、オンラインで300回以上開催
【対話型鑑賞】
◉東京都品川区美術図工部会、日本青年会議所、上智大学学生センター、キリンアカデミア等で講演・講座の実施。
◉山梨県立美術館からの依頼で、学芸員、ボランティアガイドの方々を対象とした対話型鑑賞法の研修セミナーを実施。2021年度、2022年度、2023年度(中・上級)

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2025年の日程
第129回 7月27日(日)スペシャル
第130回 8月24日(日)
第131回 9月28日(日)
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◾️6月22日(日)13時〜15時 第128回これまで誰も教えてくれなかった〜絵画鑑賞白熱講座 (対面とオンライン)
『昭和の洋画(4) 昭和の洋画を牽引した「独立美術協会」のスターたち』
|講師|中尾陽一
|会場|プロトマニア
|参加費|5,500円(税込)/7,700円(税込テキスト付き)
*オンライン 2,200円(税込 聴く+チャット)/ 4,400円(税込テキスト付き)