私が見たり知ったことはごく僅かだと思いますが、私にとって美術画商はかなり独特な人々。
その中にむかし昔から、我が道をゆく、同じスタイル(服装も態度も)、でも扱う作品は幅広く、どこから仕入れて誰に売るの?と思うようなマニアックな作品を見せてくれる人がいます。
その人がある会で、若手の画商さんから「絶滅危惧種だって言われちゃったよ〜」とおっしゃる。
その場にいた人たちから、思わず笑い声。すると絶滅危惧種氏は、
「だ〜ったら、保護してもらわなきゃなぁ」
と豪快に笑う。今の新しい仕事の仕方の若手画商から見ると、昔ながらのやり方や扱うものは絶滅危惧種に見えるのか?
アートとひと言で言っても、今、アートという言葉が指し示す内容はあまりにも幅広くて、何をもってアートなのか、私もわからない時がある。それを売り買いするとなると、美術作品とは?の前提は関係なく、需要と供給で成立している世界もある。古書の世界もそうだと聞いた。
「まぁ俺は、褒め言葉だと思っているんだけどね」
と言う。その時は目がマジメ。この人は自分の鑑識眼、美意識、しごとの仕方に確信を持っている。
今の時代は「これまではこうでした」という物事がドンドンひっくり返っていく時代。そんな中で大きなことから小さなことまで、戸惑う、理解、対応できない、そんな場面に出会うことが多々あります。それでも堂々と存在感満々で笑っているその人を、カッコいい〜!と思う私。
「でも、金持ちにはかなわないんだよな〜」笑
が、最後のセリフだったのもよかった(くすっ)。
