電車の駅に毎月置かれるフリーペーパーに好きな連載エッセイがあります。理論物理学者の佐治晴夫さんが綴る「宇宙のカケラ」。
10月号「vol.91 戦争と平和」からちょっとだけ抜粋しますね。
このような状況のなかで、思い起こすのが、かつて、1981年2月25日、広島を訪れたローマ教皇ヨハネ・パウロ二世の「戦争は人間のしわざです」というスピーチです。だとすれば、戦争を止める手立ても人間の知性のなかにあるのではないか。それは戦いの構造と人間の心の分析から始まり、宇宙のなかでは針の先ほどにも満たないくらい小さく、孤独な地球の位置付けから演繹される未来展望を認識することです。そして、お互いの考え方、価値観の相違を認めたくない傲慢さについて、論理の言葉でしっかりと協議していくことによって共通の利益を模索することが、平和への第一歩かもしれません。

(本当は、文章を勝手に抜粋することは、書き手の真意とズレる可能性があるとは思うのですが、ごめんなさい)
人類は数百年前から様々な環境に適応して、脳も身体も進化してきたというわけですが、大昔から同じようなことを、場面を変え役者を変えて繰り返しているのかなぁと感じたりします。
言葉はとても大切な道具。ただ、受け取る人によって意味が微妙にずれてしまうことは多々あり、言葉よりも有益なコミュニケーションだってあると思います。
それでも、この「論理の言葉でしっかり協議する」こと、話し合いの力を信じて諦めないことが、言葉を持った人間の責任なのではないかなぁと思いました。
