プロトマニアに来る電車の中で、JRの広告動画を見ました。駅にアーティストの作品を展示して、それを気に入った人がスマホで誰でも買えるようになる〜みたいな内容。あとで調べてみたらこちらのようです。
こうやってアート作品を気軽に買って家に飾ったり、若い作家たちを応援してその成長を見守ったり、自分が好きなものを自分で判断して楽しむ機会が増えてきているのですね。
私が画廊をやめて仕事をし始めた時にイメージしていたことが、今、どんどん当たり前になっているんだなぁとまた感じました。(また、というのはあちこちでこんな事業が増えているからです)
買い物帰りにギャラリーに立ち寄って、気に入った作品や探している作品のことを画廊主とおしゃべりしたり、夕暮れ展覧会のパーティーに気軽に参加してアーティストと話したり、誕生日や何かの記念にアート作品をプレゼントすること・・・そんな「アートと暮らす」ギャラリーを作りたいなぁと30代で夢見ていました。
今、このJRのような異業種でも作品を売り、アートが生活の中に浸透するような活動が増えていることには、ワクワクします。自分がこうだったらいいなと思っていたことに、だんだん光が当たって来ているのですもの。私の、こうだったらいいな、は、ヨーロッパの街のギャラリーでは日常の風景だったから、私たちの日常にアートを買う気分が少し遅れていたのかも。その代わり、日本の家には床の間があって、季節ごとに季節に合った掛け軸を掛け替え、花を飾るという情緒豊かな文化があるし、絵を買って画家のサポートをするのも大昔からあること。今また、その精神風土が現代的な装いで復活しているのかもしれません。

AI が一般的になったら無くなる職業というのが数年前に話題になりましたが、AI ではないけれど世の中の価値観やシステムが変わると無くなる職業の中に、画商とかギャラリストは確実に出てきそう。
それでも自分が、これはいい!素敵だ!すごい!オモシロイ!と思った作品は、自分なりに皆さんに伝えたり、アーティストとの時間や場所を作り続けよう。
この先、私の相談相手や共同パートナーは AI かもしれないし、明日のことはわかりません。わかっていいるのは、愛と情熱があれば、なんだってなんとかなるさ。
