家の中で、ふと、亡くなった母のことを思うことがあります。
母とは、人生後半、同じ家で共に四季を過ごしたので、庭の景色が変わるごとに、そして、部屋の湿度や温度が変わるごとに、母の気配が濃くなることがあります。そして、その頃のさまざまな場面が一瞬蘇ります。
大抵は、あ〜もうちょっと優しくすればよかった、とか、あ〜きっともっとこうしてほしかっただろうな、とか、そんなことで思い出すのですが、もちろん楽しかったことも思い出しますよ。
でも、正直に言うと、たいていは切ない気持ちと一緒に母の姿を思い出します。その当時の私には、母の気持ちも、母の身体のしんどさも、母の目の見えなさや耳の聞こえにくさ、使い勝手の悪さ、暑さ寒さも、実際のところはわからなかったなぁって思います。

人は歳を重ねると、あちこち初体験が増えていきます。本人はもちろん、周囲の人にとっても初めてのことばかり、つまり思い至らないことばかり。
もし、これを読んでくれている人の中に、ご家族やどなたかのケアをされている方がいらしたら、私は心から言いたいなぁと思っています。どうぞいろいろな人の手を借りて、見守る目の数、手の数を増やして、くれぐれもあなた自身がいっぱいいっぱいにならないでくださいね、力を貸してもらってくださいね。
私自身がゆとりが全然なくて、ゆとりがないから見えないことや気づかないことがたくさんあったなぁと思います。
それでもね、親はそんな子どもでもわかってくれているんです・・・と思います。笑
子どもがどれだけトンチンカンでも、こらえしょうがなくていばりん坊でも、多分、まぁ仕方ない、私の子どもだからね、って許してくれるはずです。大丈夫なんです。だから無理をしないでいてください。
今は、いろいろな公的サービスがあるし、話せる友達がいるなら大いに情報交換やぐちを聞いてもらって、あなたの家庭のドアを閉じてしまわずにいてください。
ケアする人こそ、身体と心を大切に過ごしてほしいなって思います。
