百瀬さんの個展が今日から代々木で始まります。
この個展で展示される作品は、百瀬さんが写画と名づけて近年制作している、モノクロ写真を和紙にプリントして顔料で彩色したもの。タイトルは「tatouage」、入れ墨を施した人体のシリーズからです。開催されるギャラリーのプレスリリースから抜粋します。
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日本各地で出土する土偶や埴輪にもその痕跡が見られると言われるほど長い歴史を持つ入れ墨文 化は、江戸時代には絵師や彫り師のもと、高い芸術性を持った身体表現のひとつでした。一方で、 近代以降の我々の社会は入れ墨を忌み嫌い、ネガティブな意味合いを持たせてきました。マザーテ レサのポートレイトで知られる百瀬は、それまでの作品とは対照的に、「陰」のイメージを持ちながらも 高い芸術性を維持してきた和彫り文化に強く惹かれ、入れ墨を施した身体と人々をテーマに、十分 な時間をかけ今回のシリーズを制作しました。越前和紙に現像したモノクロ画像に顔料で色付けを 行う制作方法で生み出された一点ものの作品を中心に、写真作品も数点展示予定です。この機 会に是非ご高覧ください。
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私が初めて百瀬さんの個展を企画した時のテーマは、「パリ」でした。パリの街角、セーヌ川・・・その時の作品は、まだ和紙へのプリントではなかったけれど、今の写画が生まれそうな気配のある作品でした。その後百瀬さんは、世界のあちこち撮影に出かけ、プリント自体にさまざまな試みを重ねて表現法を変えてきました。そして写画。

*和紙にプリントして描いた写画は、こんな感じ。今回の個展は、モノクロの写真に彩色してるので、もっと百瀬さんの絵心が見えると思います。
写画は、写真であって写真でなく、絵のようで純粋に絵画とは違うもの。なんともいえない美しい雰囲気で魅力的です。会場となるギャラリーは、私の古巣でもある参宮橋と小田急線代々木八幡駅の中あたり。会期が長くたっぷりしているので、ぜひお出かけください。
◾️百瀬恒彦個展「tatouage」
会期:2023年6月8日(木)〜7月2日(日)
時間:木金土日(月火水祝お休み)13:00-18:00
会場:エステルオカダアートギャラリー
東京都渋谷区代々木 5−24−10 http://www.zulaarts.com
EMAIL: esther@zulaarts.com TEL: 03-4500-7231
