皆さんは、お家に絵を飾っていらっしゃいますか?
私は毎朝、まず洗面所にかけてあるカレンダーの絵を見ます。それは、以前、陶芸ギャラリーでお客様だった方が毎年送ってくださるカレンダー。12ヶ月、12枚の絵。お会いしてからだいぶ経ってその方が日本画家だと知ったのですが、いつも同じ陶芸家の作品を求められ、それは絵の題材になっていました。だから、カレンダーの絵の中で、その陶芸家の器と再会。

日本画家 中村麻弓さんの作品には、身の回りの何気ない風景が描かれています。
6月は紫陽花。
いわゆる日本画のイメージとは少し違う感じがしませんか? なぜ日本画で日常の風景を描くのか?きっと日本画の画材だからこそ出せる色や滲み、伝わる空気があるのだと思います。この紫陽花の花瓶は、ガラスじゃないかな〜。毎月の絵の色合いがとっても素敵で、楽しく鑑賞しています。
プロトマニアに来ると、入口横には画家の鈴木敦子さんが描いた牡丹の絵がかけられています。この作品は、白と赤で2点あったのですが、私は赤を選びました。この絵を見た瞬間、この作品から女性のしなやかな強さやエネルギーを感じて、ぜひそばに置いておきたいと思いました。いつもこの絵に励まされるし、今ではプロトマニアのシンボルでもあります。

鈴木敦子さんの油彩。
じっと見ていると動いているように見える時があります。何度も絵に励まされました。今は静かに見守られているよう。
そしてこの絵も、好きです。これはギリシャの画家、アレコス・ファシアノスのドローイングです。ファシアノスは、ギリシャの国民的アーティストで、ギリシャ神話の世界が時空を超えて現代生活と重ねて描かれ、美術市場や流行りの表現法とは関係なくゆったりした作品を描いていました。この人の絵を見るたびに、カラッとした地中海の風が吹いてくるようで、これまたずいぶん私の人生を助けてくれました。

アレコス・ファシアノスのドローイング
歌う男
それからこれも飾っているというか(笑)、AAO のアートセレクションで展示して毎日眺めています。

滑川由夏さんの作品。
古書の文字を透明の樹脂で一文字一文字覆っています。
(手前の2点のブロンズオブジェも滑川さん作)
滑川さんの作品は、見えているけど見えていないもの、見えているものとは実は違うものが表現されているところが面白くて、ずっと作品を見てきました。作風が変わっても、滑川さんが作品で表現したいことが一貫しているのがわかる(つもり)。イチオシの美術家です。
私は、アート作品が日常にあるのが当たり前になっているのですが、改めて、アート作品と暮らすとアートは様々なことを考えるきっかけになるなぁと思います。ぼんやり眺めているとふと、something good が閃くこともあります。
アートがある生活が当たり前なのは、私がそれを好きだったからで、植物や音楽があるのが当たり前というのと同じですね。きっとみんな何かしらと、知らず知らずのうちに話しかけたり対話して、好きなものに寄り添われているのかもしれませんね。