
今月の中尾先生、絵画鑑賞白熱講座は、アメリカの女性画家ジョージア・オキーフがテーマでした。
まず先生は、芸術家同士が結婚すると、たとえ女性に才能があっても、男性のしごとを支える側にまわって、自由な創作活動を断念するか、はたまた夫の死後に活動を再開してのびのびと制作するか・・・そんな風に女性のアーティストが、一人の芸術家として認められてしごとをするのは、なかなか大変だったのだ、というお話をされました。例えば、先月取り上げたジャクソン・ポロックとその妻リー・クラズナーのように。芸術は既成概念を打ち壊すような意味があるのにもかかわらず、男女の格差が堂々とあったわけです。
今月のテーマのオキーフは、20歳以上年上の夫、写真家のスティーグリッツのプロモーションによって世に出され、たくさんの作品を残したのでした。スティーグリッツは、オキーフの「女性」を前面に打ち出して、まずは彼女の名を世に広めました。彼自身が撮った美しいオキーフのヌード写真と、セクシュアリティを想起させる花のモチーフの絵を使って。
先生が「みなさん、オキーフ、どうですか? どんな印象? どれが好き?」と問いかけると、
生命力を感じる
かっこいい
一つの見方だけでなく、さまざまに見ることができるところが面白い
・・・・・
でも、もちろん反対の感想もあって、
苦手だ〜〜〜
純粋にいいと思えない
・・・・・
という正直な感想がしっかり出ていました。
ここが中尾流のいいところなんですね。みんなが良いと言ってもまずは自分がどう感じるかを確認する。誰もそれを否定しない。
さまざまな見方や感じ方をしている私たちだから、誰かが思いを話したり、誰かの考えを直接聞いたりできるところは、なかなかに面白く貴重な体験です。
聴いた後に、人にはそんな風に見えるのか、そういう角度から見ることができるのか・・・などなど、他者がいて自分と違う言葉を聞くことで、最初の自分の感想・印象からさらに発展していくことも大切。もちろん、やっぱり自分はこっち、と自身の感覚を忘れないことも大切。
今月はみなさんからとても活発にさまざま意見が出て、後ろで聞いていて本当に面白かったです。
こんな家の絵もあります。
オキーフといえば、こんな骨や花のモチーフ。
では、参加してくださった方が、後日送ってくださった感想をご紹介しましょう。

