東京は気持ち良い秋晴れの青空が続いていますね〜。少しカラッと乾燥した空気が軽やかで、気分の良い毎日です。
さて、先日の日曜日にはプロトマニアで『第54回これまで誰も教えてくれなかった〜絵画鑑賞白熱講座』を開催しました。中尾先生のアートレクチャーです。
今月から先生のお話の前に、参加者の有志の方に「私の好きな絵、私の好きな画家」というテーマで、ちょこっとお話をしてもらうことになりました。たまにこんな変化球を繰り出す中尾先生です。
と言っても研究発表ではなく、この画家のこんなところに感動した、この絵のここが好き、こんな思い出がある・・・とあくまでも寺子屋流です。自分の好きなものなら、楽しんでお話ししてくだされば、それだけで伝わるものがあります。お勉強じゃないからね!
というわけで、初回は「マーク・ロスコ」。抽象画で有名な画家でした。これを発表してくださった K さんは、真夏の酷暑の美術館でロスコの「シーグラム壁画」を独り占めした時の感動を、熱くお話ししてくださいました。この赤い抽象画は、人間の根源的なものに繋がり揺さぶるアートの力の代表格とも言えそうです。K さんも「見ていてただただ涙が溢れそうになった」のですって。
ロスコのこの絵については、実は前に先生が他の講義で触れたことがあって、見たことがありました。K さんのお話を聞いているうちに参加者の方達からどんどんその時のことが話されて、先生も「あれはいつだっけ?」なんて言いつつ、楽しく盛り上がりました。K さん、素敵なお話、ありがとうございました。
私は後ろでそんなやりとりを聞いていたのですが、皆さんが先生のお話を本当によく覚えていらっしゃること、そしてお一人お一人がいつの間にか(と言っては失礼かもしれませんが)作品とダイレクトに向き合って、ご自身の感覚で味わうことがごく自然になっていることに、驚きと共にブラボ〜!と心の中で拍手しました。つまり、感じることを言葉にして表現することが、皆さんとても自然でこなれた感じだったのです。中尾先生と一緒にアート作品をたくさん味って来た皆さんの変化ではないかと思いました。
そんな楽しいやりとりであっという間に前半終了。
後半は、お題の「フランス・ハルスとオランダ絵画」を見て行きました。17世紀は絵画のみならず、オランダの黄金時代で面白い時なんですね。フランス・ハルスは、集団肖像画、肖像画を主に描いていたので、後世の展覧会に取り上げられるにはいま一つパフォーマンスが悪く(笑)、超有名にはなり損ねたようですが、私たちが教科書で見たことのあるあのデカルトの肖像画は、このフランス・ハルスの筆によるものです。
肖像画は基本的に依頼されて描くものですが、フランス・ハルスの描いたものは、ただ仕事で描いた感じではない。生き生きとした人間の一瞬の表情を描ききり、描いている本人が楽しんでいたことが伝わるような作品でした。描かれた人たちの表情がリラックスしている。きっとハルスさんとおしゃべりしながら描いてもらったんじゃないかな。
そして、他にもオランダの画家たちの作品を見ながら、フェルメールはやっぱりすごいのね〜とか、知らなかったけど風俗画を描いたヘラルト・テル・ボルフってなかなかいいね〜とか、自由に楽し見ながら鑑賞して無事終了。今月もありがとうございました。
さて、そして11月の中尾流ですが、11月のプロトマニア講座はお休みにして、中尾先生が九段のお隣、竹橋の毎日新聞社1階の毎日文化センターで開催する、
五感で楽しむ「絵画鑑賞入門」〜誰も教えてくれなかった絵画鑑賞法〜
11月24日(土) 13時30分から16時 毎日文化センター
に集結することになりました。
これまでプロトマニアの日曜日の講座にいらっしゃれなかった方は、土曜日開催のこの機会にぜひ中尾先生の講座、体験してくださいね〜
第55回の中尾流は、今年もクリスマスシーズン12月23日(日)の午後。お題は、フォーヴィズムのフランス人画家、マルケ。これもなかなか面白そう。ちょっと通になれそうな画家ですよ! →*12月のテーマ、「ムンク」に変更になりました
12月はクリスマス会を兼ねてプロトマニアを飛び出し、都内某所での開催を予定しています。詳細は、追ってご案内いたしますのでお楽しみに!
おやつに差し入れをいただきました、ありがとうございました♡
「健やかな身体には、健やかな知性と感性が宿る」というわけでデーツで鉄分補給!