昨日は伊東充隆先生の青空禅フォーラムでした。
前々回のテキスト、菩提達磨の四聖句の導入から、
今回はフランスの哲学者ラカンによる 「鏡像的自我」 を使って、
本来の自分とは何か?に迫る!
なんて書くと、ちょっと難しそうに聴こえますか?(笑)
ちょっとサワリだけ書くとね ……
ラカンによると 『 人間は出生後半年から18ヶ月までに鏡像的自我形成がおこなわれる 』
赤ちゃんがこの世に生まれ出た時、赤ちゃんには私という認識がありませんよね。
でも、数ヶ月の間、お母さんやお父さんや周りの大人に抱き上げられ、
覗き込まれてはある名前を呼びかけられる体験を繰り返します。
すると赤ちゃんは、この肉体に向かって話しかけられ、
たとえばヨウコと呼ばれているこれ、それがどうも「私」らしい、と徐々に意識を固定化し身体的統合を果たす。
赤ちゃんの意識にとっては、向けられた「まなざし」が鏡の役割をはたし、
他者から見られた「わたし」よって自我を形成していく、ということ。
私たち人間は、他者から見られている者を自我と見なし、
その他者から見た「私」の位置から他者である世界を見る、というしくみで成長しこの世界を行くのです。
自分と思っている「私」は他者から見られた「私」。イメージできますか?
では、他者から見られた私ではない私はどこ?
直に自らを見るとはどういうことだろう???
それが、菩提達磨の言った 直指人心
そこにこそ本来の自分がある、とお釈迦さまから数えて28代目の禅マスターは言っています。
この話はもっと続くのですが、とにかく今回の伊東先生のお話を聞いておぉ!と気持ちよ〜くビックリした次第。
これまで思い込んでいたことと違うことを言われると、ムムっと抵抗感が出るものですが、
そんなはずないじゃない!と言えるほど私たちが世界の成り立ちを知っている訳でもない。
しかし、これ、なるほどね〜と軽く言えるには、ごっそり根っこから前提を入れ替えなくちゃね。
冷凍庫でカチカチに凍ったアイスクリームはスプーンでなかなかすくえないから、少し溶かしてやわらかくゆるめないとね。
最近の電子レンジには、アイスクリームを適度に柔らかくするメニューがあるようですが、
既成概念を緩める早道ボタンは残念ながらないので、
何度も何度もビックリしたり、すっきりしたりしながら、
覚え込んだ ” 当たり前 ” の枠をほぐしていきましょうっと。
