「そして父になる」という是枝裕和監督の映画が第66回カンヌ映画祭、
審査員賞を受賞しましたね。10月のロードショーが楽しみです。
是枝監督の作品は、監督自身がどう日々を生きて何をどう見たか、
という生活者としての目が作っていてそれが見る人の共感をよぶ、
とどこかで読んだことがあります。
若い頃は日常の繰り返しが嫌いで、一見変わったことやドラマティックなことばかりに目が行きましたが、
実はこの当たり前のような日々は当たり前ではなく、目に見えていることがすべてでもない。
変わっていることが良いことで個性、と持ち上げられて無理やり変人でいるよりも、
個々人が違うのは当たり前、変人も当たり前、だけど本当は別のメガネをかけて見ればどれも変わらないからこそ、
そのままですでにどれもこれも面白くドラマティックで主人公だと、私は思うようになりました。
ただ、それはどこかを目指したからこそ、そう思えたのかもしれません。
あそこは、実は、ここだったりしてね。
