この季節、我が家の庭は雑草だらけになります。ある時から雑草と戦うことをやめて共存の道を選びました。笹は手こずります。笹は強者、もう降参するしかありません。ドクダミは花が咲けばなかなか可愛らしいし、原爆の後、ドクダミはすぐに生命復活を果たしたと聞きますから、尊重します。
プロトマニアは、皇居のすぐそばなので気分転換に北の丸公園を散歩したりします。お濠の土手の上で見つけた可愛らしい雑草は、小さな小さな花をつけて可憐でした。
昨年、我が家のそばの道端でその草を発見してそっと持ち帰り、観察を兼ねて植木鉢に移植。今年、その花は花を咲かせました。あまりにも可愛らしくて、これ何という名前?というスマホの植物探索アプリで投稿してみたところ、親切な方から「キュウリグサだと思います」というお返事がありました。

「キュウリグサなんておかしな名前ですね〜一度聞いたら忘れないですね、ありがとうございます」と返信コメントしてしばらくして、ふと思い出しました。
小説「西の魔女が死んだ」(梨木香歩著)に、そのキュウリグサは登場するのです。本を読みながら、どんな草なのかなぁと思いながら、調べもしなかったのですが、脳の記憶のツボからふと出てきました。
なんだかすっかり嬉しくなりました。キュウリグサは雑草という名ではなくれっきとしたお名前があるのであ〜る。そうなると他の雑草も可愛く見えてきます。そもそも雑草って名前の植物はないのですよね。それぞれにちゃんと名前があって、華々しくはないけれど可憐に逞しく季節を彩っているのです。人間は、分けてみたり、なんでも同じにしたがったり、ややこしい。
そんなわけで、今年も我が家の庭は、野趣あふれる草花との共存なのです。
