中尾先生の5月の講座は、ロココ美術を鑑賞します。
ロココといえば、華やかで軽やかな絵画。爽やかな5月にぴったりです。では、先生からのご案内をどうぞ。
第103回 《〜これまで誰も教えてくれなかった〜『絵画鑑賞白熱講座』》
風薫る5月に楽しむロココ美術
ー ヴァトー、ブーシェ、フラゴナール、etc. ー
5月のテーマはロココです。
バロック美術の荘厳さ、あふれんばかりの生気、躍動感は18世紀に入って、軽快で優美、典雅な趣のロココ美術へと変化します。美術史の流れの中で、最も優雅で花のあるロココ美術の到来です。
ロココを代表する画家はアントワーヌ・ヴァトー(1684 – 1721)、フランソワ・ブーシェ(1703 – 1770)、ジャン・オノレ・フラゴナール(1732 – 1806)の三人です。
ヴァトーの代表作は、愛の島への旅立ちを描いた《シテール島への巡礼》で、ここから雅宴画というジャンルが始まります。雅やかな世界を描いたヴァトーですが、病身のため36歳で夭折した彼の絵画には同時に、人生の儚さや哀しみの気配が漂っています。

ヴァトーの次に活躍したブーシェは、甘美な官能性に満ちた絵画を量産してロココ最大の巨匠になります。コケティッシュな魅力の裸婦像が多いのですが、気品あふれる《ポンパドゥール夫人》のような肖像画にも才能を発揮しました。

フラゴナールの代表作は《ぶらんこ》です。森の中でブランコをする若い女性と彼女のスカートの中を覗き見する男性をユーモラスに描いた、いかにもロココ的な主題の絵ですね。

彼らのほかにも、夢見るような眼差しの少女像をたくさん描いたグルーズ(1725 – 1805)やバステル画の名手カンタン・ド・ラ・トゥール(1704 – 1788)、庶民の日常風景や静物画にオリジナリティを発揮したシャルダン(1699 – 1779)、マリー・アントワネットの肖像画で有名な女性画家ヴィジェ=ルブラン(1755 – 1842)などロココ美術は多士済々です。
風薫る五月にロココ美術を楽しみましょう!
◾️第103回〜これまで誰も教えてくれなかった〜絵画観賞白熱講座『風薫る5月に楽しむロココ美術』
▼2023年5月28日(日) 13時〜15時 オンライン zoom開催
▼参加費: 4,000円(聞く話すベーシック参加) 6,000円(+テキスト付き)
お申し込みは、こちらからどうぞ→