
さて、10月の中尾先生、絵画観賞白熱講座は、ルネサンス絵画の最終回です。
先生のご案内からどうぞ!
第99回 《〜これまで誰も教えてくれなかった〜『絵画鑑賞白熱講座』》
ルネサンスの絵画(5)
北方ルネサンス
前回の講座では、イタリア・ルネサンスの仕上げとしてティツィアーノを中心にジョルジョーネ、ティントレット、ヴェロネーゼというヴェネツィア派の巨匠たちの絵画を鑑賞しました。次回はイタリアを離れて、北方ルネサンスの絵画を見ていきましょう。
北方ルネサンスというと、北欧などのことかと思いがちですが、この「北方」というのは、南国イタリアから見て北の地域、もっと言えばアルプス山脈より北の地域を指します。具体的にはネーデルラント(現在のオランダとベルギー)とドイツをさします。
北方ルネサンスの絵画はイタリア・ルネサンスの絵画に比べると馴染みが薄いのですが、実はルネサンスを象徴する油彩画の技法は、ネーデルラント南部のフランドル地方(現在のベルギー)で、イタリアよりもかなり早くから発達していました。
油彩画の技術ではイタリアに先んじていたフランドルの絵画では、現実の世界が驚くほどの細密描写で再現されています。それだけ写実性に優れていたということですね。
一方、精神的な面では、ギリシア・ローマの大らかな人間解放文化の再生を目指したイタリア・ルネサンス絵画と違って、北方ルネサンスの絵画には中世の宗教感情の影響が強く残っていました。
この現実再現性の高い超細密描写の技法で、中世ゴシック的な世界観が表現されているのが、北方ルネサンスの特徴であり魅力です。
それでは、北方ルネサンスの代表作品を巡る鑑賞の旅にご一緒しましょう!

1510~15年 ウンターリンデン美術館蔵(フランス)

制作年不明(1443年) プラド美術館蔵(スペイン)

1434年 ロンドンナショナルギャラリー蔵(イギリス)
■第99回これまで誰も教えてくれなかった〜絵画観賞白熱講座「ルネサンスの絵画(5)」
2022年10月23日(日)13時〜15時30分 オンラインzoom 開催
お申し込みは、こちらからどうぞ→