ボッコちゃん?

ある時ある人と話していて気がついたことです。

私が「それって、ホニャララだからじゃないかな〜」

というと相手もすかさず、

「それって、ホニャララだからだよ〜」

・・・ふと気づくと私が発した文章と全く同じフレーズを繰り返している。

先に言った私はちょっと不思議感。あれ?復唱してる???

カウンセリングなどの手法で、相手の話を聞いてその言葉を繰り返して確認することによって、相手が言いたいことを受け取っているよとサインを示すとか、相手を落ち着かせるとか、そういう類のものなのかな〜と、しばしハテナ???

それでふと思い出したのが、短編SF小説の神様、星新一さんの『ボッコちゃん』。

バーにいる人造美人のボッコちゃんは、相手が言ったことをオウム返しにするだけなのに大人気。例えば「今度二人きりで会わない?」と誘われたら「今度二人きりで会いましょう」ってにっこり。

通ってくるお客たちは、ボッコちゃんの虜になってしまってバーは繁盛するけれど・・・。ボッコちゃんは、ロボット、今で言うアンドロイドですね。

相手が言ったことをそのまま肯定する返事しかしないボッコちゃんが大人気になるのは、美人だからだけじゃなく、返事がいつも肯定的で拒否しないから、そして言った方はそれがただ心地よくて病みつき〜・・・人はただ受け入れてもらえるのが嬉しいってことか。

でもその小説の結末では、いろいろ偶然が重なってバーのお客さんもマスターも、ボッコちゃん以外の人は全員天国へ・・・シュールでブラックな結末なのです。

自分が言った言葉をそっくりそのまま返されると、なんだか変な感じがして、本当に私が言ったこと聞いてるのか〜?って思いましたが、私、ひねくれているでしょうか(笑)。

否定しても肯定しても、上手な言い方でなくてもいいから、その人の言葉で話してくれる方がいいなぁ、私は好きだなって思った出来事でした。

今のアンドロイドは、会話のパターンを習得してごく自然に私の話相手をしてくれるのかな。

いやはや、人間ってなんでしょうね???

皇居、お堀端の菜の花