ひとつひとつすすむ

プロトマニアの荒川陽子です。

プロトマニアは、私が信頼する先生たちに講座をお願いしています。

アートのことと本質のこと。

ふたつとも、先生たちが知識や物事の見方や考え方のヒントをくれますが、実は私たち参加者は、自分と向き合うことをやっているようなものです。

外からの刺激(作品や言葉はもちろん、先生の様子、一緒にいる周りのひとたち・・・)に、自分がどう反応するか? 何を感じて、どう考えるか? 

ていねいに見れば見るほど、離れて見えれば見えるほどに、気づくことがいろいろあります。

心理的な反応とは、実のところ、良くも悪くも人間本能の為せるワザだったりして、私だけ、あなただけのことじゃないってことも、集まりの中では見えて、なぁ〜んだとホッとしたりします。

自分の内面を見たり、何か教わる時・・・そして実はどんな時も、ひとつひとつすすむのがいいなと思います。最初はよくことばを聴いて、慌てて信じ込まずにそれは本当か?と考えてみる。すぐに理解できなくても、誰かと比べて未熟に見えても焦らず、慌てず。今の正直な自分のままでよいという素直さが、行く道の杖にもなります。そして道しるべや道案内となるのが、誠実な先生たち。先を急いで誰かに着いていくより、ひとつひとつすすむ。

こんな文章を見つけました。以下抜粋。

また初期仏典にこんな話があります。ブッダが、カーラーマ族のケーサプッタという村を訪れたとき、村民たちは「さまざまな修行者やバラモンが村を訪れ、異なった教義を説きます。ですから誰を信用していいのかわからず、戸惑っています」とブッダに訴えました。それにたいしてブッダは、次のように助言しました。

 カーラーマたちよ、いかなる教えも、(個人的)信頼関係や外的権威に頼ったものであってはならない。誰のことばであれ、教えであれ、自らの経験を試金石として真偽を検証し、自らの判断を使って進むべきであり、鵜呑みにしてはならない。

 あなたたちが自分自身で、忌まわしく、間違っており、悪いと判断したならば、それを棄てなさい。あなたたちが自分自身で、正しく、よいと判断したならば、それに従いなさい。

(「ブッダが説いた幸せな生き方」今枝由郎 岩波新書 より抜粋)

子どもの時、幼馴染のお母さんに「どれがいい?」と尋ねられて「どれでもいい」と言ったら「ちゃんと自分がほしいものを考えなさい」と言われました。

「どちらもよし」とは、「どれでもいい」とは違う。最近の世界の出来事を見ながら、何事も、一足飛びではなく、やっぱりひとつひとつ丁寧にと思うのでした。

★6月のプロトマニア★

*6/6(日)13:00~17:00 伊東充隆 第46回青空禅塾

*6/27(日)13:00~15:30 中尾陽一 第83回これまで誰も教えてくれなかった〜絵画鑑賞白熱講座「竹久夢二」


ひとつひとつすすむ」への5件のフィードバック

  1. そうですねぇ♪オリンピックを開催するにしても、ニューイングランドジャーナルオブメディスンの指摘などに謙虚に耳を傾け、ひとつひとつ丁寧に感染対策をしていければ良いのですがねぇ♪

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  2. 釈迦が出家後に瞑想で師事したアーラーラ・カーラーマとは関係ないかな。

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    1. 私は詳しくはわかりませんが、カーラーマという土地があるそうです。ここでのお話は、釈迦が強調したのが、妄信的な信仰ではなく、自分自身で理解して実践すること、という文脈の中で登場します。

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  3. ほんとうに、ひとつひとつ丁寧にですねぇ♪
    新型コロナウイルスワクチンは衝撃に弱いので、解凍に三時間かけて、混ぜるのも慎重に、希釈するのもダブルチェックでゆっくりとして、その後に慎重に混ぜる!ここまでが前日の準備でしょうかねぇ。
    安全なワクチン接種講習会のレポートを観ると現場の大変さがよくわかりますね。
    政治家はワクチン接種を早く。というけど、だったら現場に来て手伝えば。
    来ても、邪魔にしかならないでしょうかねぇ。
    すみません、関係のない愚痴になってしました。

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    1. 情報を鵜呑みにして思考停止したり他人事でにわか批評家になっているうちに、誰も望んでもいないのにもう後戻りできない、そういうことが歴史上何度もありましたね。笑われそうな疑問や違和感だとしても、それを封じ込めずに自身で考えることはやめないようにしたいと思います。千里の道も一歩から、自分ができることをやるしかないですね。

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