9月の中尾先生の白熱講座は、8月に続いて日本の洋画家です。
佐伯祐三は、1898年生まれの画家。パリに留学してパリの街角やカフェなどを描きました。皆さんもきっとどこかでご覧になったことがあるのではないかと思います。
知っているようで意外に知らない日本の洋画家を中尾先生のナビゲートで鑑賞してみませんか。
先生からのご案内文をどうぞ。

第74回《〜これまで誰も教えてくれなかった〜『絵画鑑賞白熱講座』》
パリで逝った天才画家 佐伯祐三
前回の長谷川利行に続き、日本の洋画家を鑑賞します。とりあげるのは、わずか30歳でパリに客死した佐伯祐三です。
佐伯祐三は1898年(明治31年)に大阪のお寺の息子として生まれました。旧制北野中学を卒業して、東京美術学校に進みます。たまたまですが、私の高校の先輩です。
佐伯祐三(1898 -1928)と長谷川利行(1891-1940)はほぼ同年代の画家です。ともに関東大震災(1923年、大正12年)を経験しています。とは言え、二人にほとんど接点はありません。あるとすれば、1926年にパリから一時帰国した佐伯が里見勝蔵や前田寛治と設立した一九三〇年協会の第2回展に、長谷川利行が一般公募で3点出品して入選しているくらいです。ただ、この3点を「佐伯が大いに好んだ」と前田寛治が展覧会評に書いています。天才は天才を知るということでしょうね。
住む家もなく独りで放浪し、独学で東京の街並を描いた長谷川利行。東京美術学校を卒業し、若くして妻子を連れてパリに渡り、異邦人としてパリの街角を描くことと格闘し、30歳で燃焼した佐伯祐三。ともに「日本人の油絵」を創造することに人生を費やした天才画家です。
次回の講座では、長谷川利行の絵を思い出しながら、新たな視点で佐伯祐三の創造の軌跡をたどりたいと思います。
第74回 これまで誰も教えてくれなかった〜絵画鑑賞白熱講座 オンライン
『パリで逝った天才画家
佐伯祐三』
9月27日(日)13時から15時30分
お申し込みは、こちらからどうぞ→