プロトマニアの荒川陽子です。
8月、今月も中尾先生の絵画鑑賞白熱講座は、オンライン開催でした。取り上げたのは、日本の洋画家、長谷川利行。
長谷川利行を知っている方は、ちょっとした「美術ツウ」かもしれないです・・・というくらいの知名度ですが、この画家はぜひ知っていただきたい日本人の画家です。
こんな絵です。一見、ぐちゃぐちゃで何が描いてあるのかすぐにはわからないかも?
では、しばらく絵をじ〜っと見てみてください。何が描かれているでしょうか?・・
・・・何やら見えて来ましたね、テーブル、人の姿、温室のような空間・・・
はい、これはカフェの風景でした。「 カフェ・パウリスタ 」1928年に描かれました。そう、銀座にあるあのカフェ・パウリスタ! 正確には銀座のお店はこの絵のモデルではありません。(どうやらカフェ・パウリスタって、カフェチェーンの先駆けらしい)
さて、長谷川利行は、正式な美術教育を受けていないそうです。絵を描いていたのは20年間ほど。40代で亡くなっています。
中尾先生が見せてくださったどの絵も、描くものそのものを忠実に描くというより、絵筆の勢いや画家が作り出した中間色によって、「画家の目が見たもの」が描き出されていました。画家の感動、ヴィジョンですね。
参加者の皆さんと先生の対話を聞きながら絵を見ていくと、ひとりで鑑賞するだけでは気づかなかったことや見え方に出会います。
「なんだかカッコイイ」「何が描かれているかなと見ていたら急に見えた、その瞬間の発見が嬉しかった」「筆のストロークが絵の動きを生む」・・・などなどの感じたままの言葉が出て来て、鑑賞の厚みや深さがどんどん生まれていきました。
さすが皆さんののびのびとした感性、そして中尾先生の自由でリスペクトあるナビゲート。
そして、マニアックなテーマについても、あまりメジャーではない画家に出会えるのはこの講座の魅力、と参加者の方からお言葉をいただきました。
今月も、皆さんと一緒に絵を見ながら「あ〜やっぱり美術大好き」と実感できた日曜日でした。
ご参加の皆さん、中尾先生、ありがとうございました♫

さて、来月は引続き日本の洋画家を取り上げます。スタイリッシュな画風、パリの街角を描いた画家、佐伯祐三です。
9月もオンライン開催ですので、日本全国、南から北から、どこからでもぜひご参加ください。
詳細は近日お知らせいたします。
*9月27日(日)開催 第74回これまで誰も教えてくれなかった〜絵画鑑賞白熱講座〜