好き、は最強。

 

プロトマニアの荒川陽子です。セミの大合唱が続いていますが、立秋を過ぎたら風が爽やか。

8月は毎年、ふと立ち止まって考えることが多い月です。広島や長崎の原爆の日には、テレビも新聞も戦争について取り上げることが増えますね。プロトマニアがある九段は靖国神社がすぐそばなので、毎年夏休みの掃除に行くと、この暑い中、重装備の機動隊の人たちがデモ行進や宣伝車を誘導したり、整理しています。こんな猛暑の中の機動隊を見ると、鍛えられた身体とはいえ、心配になるくらいの分厚い装備です。目の前で見ると、本当にすごい。

今朝の朝日新聞『「特攻」を生んだ思想とは』という記事の中で、作家の鴻上尚史さんが「同調圧力 昔も今も」というタイトルで書かれていました。

特攻は、開始前から疑問視する声があったにもかかわらず、「日本を守るには特攻しかない」という空気が出来上がると、逆らえない強力な同調圧力が生じたそうです。

日本型組織や社会は、昔も今も「構成員一人ひとりの命や生きがい、幸せを消費して存続する」という凶暴な面があります

と。鴻上さんが、特攻隊員として体当たりして来いという命令で9回も出撃して、その都度生還した人物に、なぜ同調圧力に屈しなかったのかと問うた時、その方は、飛行機に乗ったら何もかも忘れる、飛行機は練習すれば、鳥の羽みたいに自由に動くのだと言ったそうです。空を飛ぶ喜びを手放したくなかった想いが強く伝わって来た、そして、「これが好きだ」というシンプルで根源的な感情へのこだわりこそが、個人が世間の同調圧力に屈せずに生き延びる拠点になる、と書いていました。

 

好き

ということは、単純でシンプルでナイーブな感情ですが、言葉を超えた強く大切な力です。

中尾先生が絵が好きで、どの画家が大好きか、言わなくても伝わって来ます。

伊東先生が「自己の本質」への道案内に惜しみないのは、みんなをサポートすることが喜びだからだということも伝わって来ます。

私の愛車は古くて不便なこともあるけれど、大好き。ある時、知らない年配の方から「この車が好きなんだね、新しい車より好きな車に乗りなさい」と声をかけられました。

・・・私の車の例はともかく、ものでも人でも、実はとても単純に見えることの中に、大切なことが隠れていると思います。単純さ、愚直さ、は侮れません。

シンプルなことには、暗闇の中で消えない光が宿り、それは減ったり増えたりしない幸せと平和への杖となるのだなぁと思いました。