ちっちゃい思い出

 

今日も東京は曇り空でした。プロトマニアの荒川陽子です。今日は私のつぶやき。

 

私は、大学卒業後に銀座の画廊に入ったのですが、そこを辞めた後、しばらくプラプラしていました。そんな頃、その現代美術の画廊のイベントでお世話になった舞台美術家のおじさんの事務所でちょっとだけアルバイトをしていました。

その時、たまたま渋谷のバルコ劇場で山本寛斎さんの舞台があって、そのお手伝いをしたのですが、ある日リハーサルの時に山本寛斎さんが来ていて、どこでどうなったのか忘れたけれど、寛斎さんから「アラカワくんの夢は何なの?」と突然尋ねられたのでした。

「はい、私はグリーティングカードのデザイナーになりたいです!」

と、本気でそう思っていたので、まっすぐ答えたら寛斎さんは、

 

「 ちっちゃい! もっとでっかい夢を持て 」

 

とおっしゃったのでした。笑笑笑

撃沈。

・・・に近い寛斎さんからのお言葉でしたが、なんだか寛斎さんの言葉には愛があって、素直に、「そうか〜カードのデザインって、小さいといえば小さいよね、たしかに」と思いました。そりゃ、世界を舞台に活躍している寛斎さんからみたら、かなりちっこい(苦笑)。

でも私、さりげない言葉と絵で気持ちを伝えるカードが大好きだったのでした。だから、いいもん!って思って落ち込みませんでした。そして、寛斎さんの言葉はあったかくて、笑顔があって、今でもとっても好きな思い出です。

山本寛斎さんが亡くなって、そんな青春(笑)のひとコマを思い出しました。ちっちゃい思い出のおはなし。