ことば*センス・オブ・ワンダー〜R. カーソン

 

今日は、レーチェル・カーソンの言葉から。

 

子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく、驚きと感激にみちあふれています。残念なことに、わたしたちの多くは大人になるまえに澄みきった洞察力や、美しいもの、畏敬すべきものへの直感力をにぶらせ、あるときはまったく失ってしまいます。

もしわたしが、すべての子どもの成長を見守る善良な妖精に話しかける力をもっているとしたら、世界中の子どもに、生涯消えることのない「センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目を見はる感性」を授けてほしいとたのむでしょう。

中略

子どもたちがであう事実のひとつひとつが、やがて知識や知恵を生みだす種子だとしたら、さまざまな情緒やゆたかな感性は、この種子をはぐくむ肥沃な土壌です。幼い子ども時代は、この土壌を耕すときです。

美しいものを美しいと感じる感覚、新しいものや未知なるものにふれたときの感激、思いやりや、憐れみ、賛嘆や愛情などのさまざまな形の感情がひとたびよびさまされると、次はその対象となるものについてもっとよく知りたいと思うようになります。そのようにして見つけ出した知識は、しっかりと身につきます。

 

中略

雨の日には外にでて、雨に顔を打たせながら、海から空、そして地上へと姿をかえていくひとしずくの水の長い旅路に思いをめぐらせることもできるでしょう。

あなたが都会でくらしているとしても、公園やゴルフ場などで、あの不思議な鳥の渡りを見て、季節の移ろいを感じることもできるのです。

さらに、台所の窓辺の小さな植木鉢にまかれた一粒の種子さえも、芽をだし成長していく植物の神秘について、子どもといっしょにじっくり考える機会をあたえてくれるでしょう。

『センス・オブ・ワンダー』レイチェル・カーソン 著 上遠恵子 訳 新潮社 P.23〜抜粋

 

大人になった私たちだって、今は眠ってしまっているかもしれない『澄み切った洞察力』を目覚めさせることができると思います。知ったこと、聞いたこと、習ったこと、自分が信じていること・・・それらが本当に、それほど確かなものかどうかをちょっとだけ疑ってみることから始めてみよう。

*伊東充隆主宰 第34回青空禅塾

2020年6月21日(日)13時〜17時 開催

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