8月も最終週。東京郊外の朝は、まだまだ蝉の大合唱です。
さて、先日の中尾先生のアートレクチャー「これまで誰も教えてくれなかった〜絵画鑑賞白熱講座」のことです。
今月は、中尾流ではほぼ初めての日本の洋画家、岸田劉生の人と作品で白熱しました。そうです、皆さんご存知の、あの「麗子像」の画家です。
岸田劉生は、明治生まれの画家です。銀座生まれなんですって。10代の頃から才能を発揮し、20代では当時の西洋絵画の影響を受けながらも、卓越した劉生独自の写実画で美を描き切りました。画論も数多く書いています。38歳で亡くなりますが、後半の絵はちょっと薄気味悪くも見えるデフォルメした人物像などに至ります。麗子像も、初めはくりっとした目の可愛らしい女の子だったのが、後半になると上の↑写真や、もっと怖〜い麗子になっていきます。そこには、あるものを本当らしく描くという写実にとどまらず、その本質に宿る形にならない美を見出し描く表現こそが「写実」であるという劉生の哲学がありました。
今月は、初めて白熱講座に参加してくださった方達がいらっしゃって、先生とのやり取りや参加者からの発言がいつもに増して白熱しました〜それでね、後日、素敵な感想メモを送っていただいたんです。ここに一部をご紹介いたしますね。ご本人のOKをいただきました。
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そうなんです、中尾先生は皆さんがその画家の世界をこの数時間で一望できるように、かなりの準備をしてきてくださるんです。それを感じ取ってくださったのは、主催者としては嬉しいところ。そして、
脳が回されて(笑)、皆で作る空気が良くて、他の人の視点によって発見することがあって、参加者同士がコミュニケーション、交換し合う場!
・・・と感じてくださったなんて〜いつも書いたり言ったりしていることが伝わっていたのが無性にうれしいなぁ・・・
世界がこうなれば、戦争も起きにくいはず。
うん、本当ですね〜同感、同感!
さらに!推敲なし(笑)、でメモを送ってくださったこと。そこにグッと来ました。言葉が生きていてそのままハートに伝わって来ました♪
中尾先生のアートレクチャーは、毎月コツコツ、もう63回続いて来ました。白熱講座は、何か資格が取れたり、技術が身についたり、形を作って持って帰るような講座ではありません。パフォーマンスとしても華やかではありません。
でも、こうして皆さんが参加してくださることで、続けて来られたし、美術との時間、画家との出会い、新しい発見と感性の刺激、参加してくださる皆さんとの出会い・・・皆さんにも先生にもきっとその時その時の良い時間があったのだと信じています。そして私は皆さんのおかげで、たくさんご褒美をいただいた気がします。
みんなで作る場だから面白いんです。絵は一人で見るのもいいけど、みんなで見るのはさらに面白いです。ぜひ一度、中尾流をご一緒しましょう〜 来月は、
9月29日(日)開催、抽象画「モンドリアンとマレーヴィチ」
です。9月の内容は、近日中にお知らせしまーす。
今月のオヤツは、常連参加者の食いしん坊仲間にお任せしました。Tim Ho Wan のベイクド・チャーシュー・バオ。甘いのにしょっぱい!不思議感あふれるおいしさが、中尾流と岸田劉生にぴったりでした。ナイスセレクション、ありがとうございました!