中尾先生のナビゲートで美術を味わうということ。

 

今週末は、中尾先生と連日アートレクチャーです♪

これまで何度か書いていますが、中尾先生はもともと美術の教師ではなく、海外の美術館から巨匠クラスの作品を集めた展覧会をプロデュースするお仕事を長くなさっていた方です。

私が中尾さんに出会った頃は、まだそのお仕事をされていました。初対面の時、画商とはやや違う雰囲気の中尾先生には安心感があって、とても良い印象でした。いつかこういう人と何か一緒にやってみたいなぁって思ったものです。

それが今、自分のライフワークの場であるプロトマニアで中尾先生の講座を開けるようになりました。これは幸運ですよね!

お付き合いするうちに、中尾さんは絵を描いていた、とか、フランスでしばらく暮らしていた、とか、フランス語教師をしていた、植物男子ベランダーらしい、とかとか・・・様々なお顔が見えてくるわけなのですが、今プロトマニアのレクチャーでの引き出しいっぱいの中尾さんは、この様々なキャリアが見事に融合しているのだと思います。

そんな中尾先生が最近、ご自身のブログでとても丁寧に今のアートレクチャーあれこれについて書いていらっしゃるので、ぜひ皆さんにも読んでいただきたいなと思います。文章がとても読みやすいのは、普段のレクチャーの時のお話の雰囲気そのままです。

ちょっとだけ抜粋しますね。

大人の絵画鑑賞としての対話型鑑賞(≒VTS)を考える。(メイン・ストーリー)

6/16 の記事から。

 

大人のための対話型鑑賞

私は、プロトマニアコミュニティクラブたまがわでの《ビジネスマンのための絵画鑑賞法》で大人を対象とした対話型鑑賞を実践していますが、そのメソッドは明確です。

2段階で行います。

1段階:まずは、VTSをベースに対話型鑑賞を行います。その場合、講師はファシリテーターに徹します。知識、情報は提供しません。

2段階:ひと通りVTSによる対話型鑑賞を終えたら、今度は講師は作品、作者についての情報をどんどん提供します。そして、鑑賞者からの発言を引きだし、あらゆる質問にも答えます。もちろん、鑑賞者のレベルや要求度を見極めながらそれを行います。

2段階目はプロトマニアでこれまで60回の実績のある《〜これまで誰も教えてくれなかった〜『絵画鑑賞白熱講座』》のエッセンスそのものです。

《〜これまで誰も教えてくれなかった〜『絵画鑑賞白熱講座』》

 

《〜これまで誰もおしえてくれなかった〜『絵画鑑賞白熱講座』》では大人が対象ですから、絵画鑑賞の教育効果とかは基本的に関係ありません。絵画鑑賞の醍醐味を味わうことを目的としています。

ですから、作品の周辺情報はできるだけ多く提供します。どんなに多く提供したところでピンとこない、納得できない情報や知識はあっというまに忘れてしまいます。心の琴線に触れた情報だけが頭に残って、次の鑑賞に役立つのだと思います。

そして、それらの情報を踏まえつつ、鑑賞者は自分の目と感性をよりどころに、作品を見て感じたこと、気づいたこと、連想したこと、価値判断したことなど、考えたこと(いわゆる感想ですね)などを自由に発言します。その発言を受けて講師が要約したり、言い換えたり、同意したり、違う見方を説明したりしつつ、また別の鑑賞者の発言も引き出します。それらが、どんどんつながって上昇気流が発生するように議論が白熱することを理想としています。とは言え、あくまでも楽しくなごやかな雰囲気の中で、なんの束縛もなくそれをやることを心がけています。

この上昇気流は講座が終わったあとに、自分の感性にひっかかった発言や気づきを思い出して、自分の心のや思考の中で起こる場合もあります。それが、この講座のプラスアルファの魅力だと思います。

《〜これまで誰もおしえてくれなかった〜『絵画鑑賞白熱講座』》》のもうひとつの特徴は、できるだけ多くの作品を見ることです。ひとりの画家の作品を1回で50点ほど見ます。それによって、その画家の全体像、画業というものをなんとなく把握します。この時点で、鑑賞者はその画家のほんの一部分だけを見て、好き嫌いを判断していたと気づくこともあります。とにかくできるだけ多くの作品を見ることによって、同じ画家の作品にも変遷とか良し悪しとかいろいろあるんだなということを実感します。その上で、その鑑賞者ひとりひとりが気になった作品を挙げて、その作品をみんなでああだこうだといいながら鑑賞して行きます。講師は美術史の常識的な見方も紹介しますが、講師の主観的な意見も積極的に伝えます。いずれにしろ、鑑賞がそれを参考にするかどうかはその人次第です。

 

いま、本屋さんのビジネス書コーナーでも注目されているビジネスとアートの関係。ちょっとしたブームですが、そんなブームの前から中尾先生がやってきたこと、考えていることなどは、ぜひブログで読んでみてください。

ウーゴズ ・ワークショップ&アルケミー展覧会のプロと学ぶ「見る・感じる・考える・言葉にする」の4つが一体となった絵画鑑賞のワーキング講座

中尾陽一アートレクチャー

 

ビジネスパーソンのための絵画鑑賞講座 

6月22日(土)13時から15時30分 

Part I :対話型鑑賞法 Part II :ポスト印象派・新印象派

 

これまで誰も教えてくれなかった〜絵画鑑賞白熱講座 

6月23日(日)13時から15時30分

「エゴン・シーレ(続き)&  20世紀最高の写真家の一人 ロバート・メイプルソープ」