
河合 このインディアンの話を読むと、夫婦喧嘩もなかなか面白いといって、男と女のすごい戦いがあるでしょう(笑)
中沢 アメリカ・インディアンの神話が面白いところは、なにかの教訓があるからですよね。その教訓が、何ていうのかな、道徳ではなくて、妙に抽象的な教訓です。ところがドイツの民話なんか見ると、それぞれに教訓があるわけですけど、なんかいやに道徳的なんです。
河合 そうそう、そうそう。
中沢 ところが、アメリカ・インディアンの教訓は、人間が正しく暮らすためには適切な距離をどこに求めるかとか、そういう抽象的な知恵みたいなことしか語らない。一番有名なのが、ショウペン・ハウエルも感動したという、ヤマアラシの恋人同士がどこに適正な距離を発見するかという話です。インディアンの神話の重要テーマは、遠からず近からず、おちこちの絶妙な黄金律を求めるというものです。主題はどれもこの適正な距離のつくり方に関係していて、男と女の間にも決定的な解決策はないと語られる。男と女、これはもうお互い異質のもんで、解決なんかできない、解決するとなると一方を絶滅しないといけない。
「ブッダの夢 河合隼雄と中沢新一の対話」アメリカ・インディアンの神話の潜在力 人間同士の適正な距離 P151〜より抜粋 河合隼雄 中沢新一 朝日文庫
武蔵の剣でいう、間合いの見切り ですね♪
敵が切ってきた剣を一寸、次に五分、最後に紙一重で見切る つまり最小限の動きでかわすと敵は隙だらけなので、自由に斬りほうだい。
ただし、稽古するのはねぇ~。木刀で受けてはいけないので、素手で見切る練習する。
最終的に師が真剣で紙一重、皮膚を斬る程度の形稽古をするため、みんな他の流派に流れてゆくのねぇ。確かに、紙一重で見切り が出来れば、剣の技はいらないけど天才でないとねぇ~。武蔵は自分が天才だとわかってなかったから、稽古していけばできるようになると思っていたようですねぇ。
距離感、間合い は剣も人間関係も難しいですね!
いいねいいね: 1人
間合いの見切りというものがあるのですね〜剣と剣の関係性は全てに通じますね。言葉や理解でできることと、言葉にできない感覚的なことでしかできないこと伝わらないことがあって、技や理論だけで解決はできませんね。だから、剣もインディアンも私たちも、おちこちの絶妙な黄金律こそを求めるんですね。
いいねいいね