今日の東京の空は、雨と風がザザーッとすごい勢いで吹き荒れたかと思うと、シーンと静かな曇り空になる、を繰り返しながらだんだんと風が強くなっていきます。
さて、9月の中尾先生講座、先生からのご案内文が届きました。9月の画家は、オランダ絵画黄金期最大の巨匠、レンブラント・ファン・レイン。・・・とフルネームで書くと、すごく迫力がありますねぇ。名前からして巨匠と呼ぶのにふさわしい気がしてくるのは、私だけでしょうか。
先生のご案内文、今月もまた生き生きと楽しそう〜中尾先生の美術への愛と情熱が伝わって来ます♪ 何はなくとも、楽しいが一番! では、こちらからどうぞ・・・
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第53回《〜これまで誰も教えてくれなかった〜『絵画鑑賞白熱講座』》
オランダ絵画の黄金期最大の巨匠 レンブラント・ファン・レイン
第52回《巨匠の中の巨匠 ルーベンス》の様子が、プロトマニアのHPで楽しく簡潔に紹介されています。よろしければご覧ください →『ルーベンス〜中尾先生と』
次回はレンブラント(1606-1669)をとりあげます!私の独断的画家の巨匠番付で言えば、ルーベンスが東の正横綱、レンブラントは西の正横綱ですね。前回に引き続き今年のこの講座《マスター・オブ・マスターズ》のテーマに最もふさわしい画家の登場です。
レンブラントと言えば、みなさんがすぐに思い出すのは《夜警》だと思います。縦359cm x 438cm、ルーベンスの大作に負けない大きな絵ですね。この絵は《夜警》というタイトルで知られていますが、実は昼の情景を描いた絵です。《夜警》というのは、絵の表面に塗られたワニスの黄変で画面が暗くなってしまったことによる後代の誤解にもとづく通称なんですね!それはさておき、この絵がレンブラントの最も有名な作品であり、最高傑作であることは間違いありません。
ただ私の個人的体験で言えば、レンブラントの実物を見てとにかく強烈なインパクトを受けたのはロンドン・ナショナル・ギャラリーにある《ラフ(襞襟)やフード付きの服を着た83才の女性の肖像》という老婆の肖像画です。初めてこの絵を見た時の驚きと言ったら、壁からこのちょっと恐そうな顔の老婆の上半身が飛び出してくるのかというくらいびっくりしました。その存在感だけで腰を抜かすところでした。リアリティーの権化みたいな絵でしたね。レンブラント28才の時の作品です!
ロンドン・ナショナル・ギャラリーにはレンブラント34才の《自画像》という傑作もあります。先ほどの老婆の肖像にくらべると6年の時を経て表現がされに洗練されています。特に顔の皮膚の色の美しさが素晴らしく、これ以上繊細で自然な人間存在の表現に達した完成度の高い肖像画は、絵画史上ちょっと見あたらないくらいのレベルの高さです。34才にして、こんな高みにたっしてしまったレンブラントの人物表現がその後どう展開したのか、次回はそのあたりからレンブラントにアプローチしてみたいと思います。
夜警 1642年
83才の女性の肖像 1834年
34才の自画像
※ この講座は絵の知識を競うものではありません。絵を見る力が自然に身につく楽しい講座です。
※ いわゆる美術史の流れを知らなくても、その場で向き合った絵をどう感じたかどう見るか、そしてそれをどう自分の言葉にするかを「わいわいがやがや」の寺子屋スタイルで学びます。
※ 通史的な講座ではありませんので、いつからでも、興味のある画家の講座の時だけでも、お気軽にご参加ください。
*知性も感性もいっぱい使って美術は楽しむもの!中尾流〜♪
これまで誰も教えてくれなかった〜絵画鑑賞白熱講座
『オランダ絵画の黄金期最大の巨匠 レンブラント・ファン・レイン』
講師: 中尾陽一
日程: 2018年 9月23日(日)13:00 —15:30
参加費: 4000円
お申し込みは、こちらからどうぞ→