今日も残暑厳しい東京でした。青空に真っ白な雲がもくもく。風で流れて形をどんどん変えて行く様に、仕事を忘れてうっかり見とれておりました。
さてさて毎年真夏の中尾流は、クイズなんぞをやったりしていたのですが、今年は直球ど真ん中で、大巨匠に迫ります。ヨーロッパでは巨匠中の巨匠といわれるルーベンスです。
中尾先生いわく、
「脂っ気のない日本人にはあのふくよかな肉体表現が今ひとつピンとこない」(笑)
確かに私たち日本人とはかけ離れた、真っ白しろのお肌ぷくぷく肉体美・・・
今日の空の入道雲のように遠い・・・
でも、巨匠!
さぁどこが巨匠なのか、中尾先生と一緒にじっくり見て確かめてみましょう。
先生からのご案内文はこちら!
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今年のこの講座のテーマのひとつである《マスター・オブ・マスターズ》にふさわしい画家の登場です!
おりしも今秋、国立西洋美術館で大規模なルーベンス展が開催されます。
この展覧会のタイトルは「ルーベンス展 − バロックの誕生」。そう、ルーベンスは美術史的にはバロックの画家なんですね!でも、私としては「バロックの誕生」というサブタイトルには少々違和感が走ります。バロックどころか絵画史上最大の画家ともいえるルーベンスのサブタイトルとしては、せめて「バロックの完成」くらいにはしてほしいところです。というか、サブタイトルをつけるなら「油彩画の完成」じゃないですか!
いずれにしろ、巨匠中の巨匠ルーベンスの大規模展なら《ルーベンス展》で充分です。サブタイトルなんかいりません!
ところで、ヨーロッパでは「画家の王」とも称されるルーベンスですが、わが国での人気は正直今ひとつな感があります。もし、これが大規模なフェルメールの展覧会が開催されるなんて話なら、知らない人はいないくらいの盛り上がりになっていることでしょう。もっとも、ほとんどが小さい作品で残された作品の数も40点前後しかないフェルメールの場合、大規模展は物理的に無理な訳ですが・・・
ルーベンスの悲劇(?)はフェルメールとは違って、作品の数が膨大で有難味に欠けること、公共の場での演出効果を高める大画面の神話画や宗教画が多く、テーマ的にもわれわれ日本人には馴染みにくいこと。また、人体があまりにふくよかな(?)表現で脂っ気の少ない日本人向きではないことなどがあげられます。
一方、大画面、小画面を問わずその複雑な空間表現、今描き終わったばかりかと見まがう色彩の新鮮な輝きなどをみると、ルーベンスこそが油彩画の完成者だと言えます。
もちろん、ルーベンスには劇場型の大作ばかりではなく、家族や自画像などいわゆるアンティームな情感たっぷりな絵もあります。西洋美術館にある《眠る二人の子供》などはその典型です。
次回の講座では、あまりにすご過ぎて、わが国での人気度では割を食っている感のあるルーベンスの真の素晴らしさとはどの辺にあるかに迫りたいと思います。
初めての方も大歓迎〜
見て感じたままをワイワイガヤガヤ、言葉にしています。
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*知性も感性もいっぱい使って美術は楽しむもの!中尾流〜♪
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