今日はまたまた暑くなりました。
8月の中尾先生のアートレクチャー、ご案内文が届きましたのでご覧ください。
日程は、
8月26日(日) 13時から15時30分
ぜひご一緒に。
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第52回《〜これまで誰も教えてくれなかった〜『絵画鑑賞白熱講座』》
巨匠の中の巨匠 《ルーベンス》
第51回《キキとエコール・ド・パリの画家たち》の様子が、プロトマニアのHPで楽しく紹介されています。よろしければご覧ください。
次回は巨匠中の巨匠ルーベンスをとりあげます。
今年のこの講座のテーマのひとつである《マスター・オブ・マスターズ》にふさわしい画家の登場です!
おりしも今秋、国立西洋美術館で大規模なルーベンス展が開催されます。
この展覧会のタイトルは「ルーベンス展 − バロックの誕生」。そう、ルーベンスは美術史的にはバロックの画家なんですね!でも、私としては「バロックの誕生」というサブタイトルには少々違和感が走ります。バロックどころか絵画史上最大の画家ともいえるルーベンスのサブタイトルとしては、せめて「バロックの完成」くらいにはしてほしいところです。というか、サブタイトルをつけるなら「油彩画の完成」じゃないですか!
いずれにしろ、巨匠中の巨匠ルーベンスの大規模展なら《ルーベンス展》で充分です。サブタイトルなんかいりません!
ところで、ヨーロッパでは「画家の王」とも称されるルーベンスですが、わが国での人気は正直今ひとつな感があります。もし、これが大規模なフェルメールの展覧会が開催されるなんて話なら、知らない人はいないくらいの盛り上がりになっていることでしょう。もっとも、ほとんどが小さい作品で残された作品の数も40点前後しかないフェルメールの場合、大規模展は物理的に無理な訳ですが・・・
ルーベンスの悲劇(?)はフェルメールとは違って、作品の数が膨大で有難味に欠けること、公共の場での演出効果を高める大画面の神話画や宗教画が多く、テーマ的にもわれわれ日本人には馴染みにくいこと。また、人体があまりにふくよかな(?)表現で脂っ気の少ない日本人向きではないことなどがあげられます。
一方、大画面、小画面を問わずその複雑な空間表現、今描き終わったばかりかと見まがう色彩の新鮮な輝きなどをみると、ルーベンスこそが油彩画の完成者だと言えます。
もちろん、ルーベンスには劇場型の大作ばかりではなく、家族や自画像などいわゆるアンティームな情感たっぷりな絵もあります。西洋美術館にある《眠る二人の子供》などはその典型です。
次回の講座では、あまりにすご過ぎて、わが国での人気度では割を食っている感のあるルーベンスの真の素晴らしさとはどの辺にあるかに迫りたいと思います。
1612-13 年 眠る二人の子供
中尾先生とルーベンス〜♪
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