先週の日曜日は、50回目の中尾先生アートレクチャーでした。お題は、エコール・ド・パリの画家、モディリアーニ。
モディリアーニは、もともとユダヤ系イタリア人なんだけれども、パリに行ってパリで絵を描いてピカソやブランクーシなどエコール・ド・パリの芸術家たちと親交を結びながらお酒や麻薬もありの貧乏暮らし。もともと子供の頃から身体は弱かったのですが、そんな暮らしの中、35歳で死んでしまいました。なかなか良いお家の出だったせいなのか、モディリアーニの人生はハチャメチャでも、その顔にも絵にも品がある。
最後に妻となったのは、ジャンヌという歳の離れた若く美しい女性でした。彼女は画学生の時にモディリアーニと出会って恋に落ち、結婚。自分も素敵な絵を描いていたし、2歳になる女の子がいながら、モディリアーニが死んでしまうと、二人目の子を身ごもったまま、彼の死の二日後に後を追って自殺してしまいました。
豊かな黒髪と眼差しが印象的なジャンヌ。
今回、中尾先生のご紹介でこのジャンヌの作品をスライドや図録で見せていただいたのですが、とてもおしゃれで素敵な絵ばかりでした。特に素描は線がなんとも言えず魅力的。しっかりと芯があって対象を捉えているけれど軽やか。私は、クリムトのデッサンを見てクリムトを好きになったのですが、通じるものを感じました。
50回に及ぶ中尾先生の講座は、毎回、先生が色々な角度から一人の芸術家にアプローチして、私たちに興味深い情報と知識と感覚を与えてくれました。堅苦しくなく、自由で、一方的でない、ある意味、対等なレクチャーはまさに大人の寺子屋。参加者のみなさん、先生が感心するような意見や視点からの発言も飛び出して、一緒に感覚を磨いてきた感じがします。
先生の素晴らしさや、参加者の皆さんの素敵な変化を織り交ぜて、どうにかこの面白さを多くの方に伝えたいと、せっせと50回書いたジャーナルです。ずっと美術と関わってきた私の人生ですが、中尾先生のこの講座のおかげで、ちょっとした美術スランプから抜け出てまた美術に恋をすることができるようになりました。浮気したり、卒業したり、出戻ったりしながら、でも、いつでも帰って来られるこのスッテキな♪中尾流が、ずーっと続いていくことを願うばかり。
中尾先生、これまで参加してくださった皆さん、ありがとうございます、これからもますます、どうぞよろしくお願いしまーす。
次回7月22日(日)は、モンパルナスのキキと画家たちを取り上げます。