想像力。

先週、仕事場で陶芸家の個展が始まりました。初日の夕方からオープニングパーティーというのをやるのですが、その時、陶芸家のお客様としていらした女性が、偶然にも私の小学校時代の同級生でした。彼女は6年生の時に転校して来たので一緒に過ごしたのは数ヶ月間だけだったのに、なぜかすぐにピンと来て、なんと44年ぶり(笑)の再会!よくわかったね〜と驚かれましたが、人を認識する時って、印象なのかな〜と思います。

その小学生の頃、図画工作の時間に「音楽を聴いて印象を絵に描く」という時間があったのを思い出しました。音楽は、チャイコフスキー作曲「白鳥の湖」から『4羽の白鳥』という楽曲だったのです。

バレエを習っていた私は、それが「白鳥のみずうみの、あの4羽の白鳥だ!」とすぐにわかって、頭の中には4羽の白鳥が首をピコピコ振りながら踊る姿が・・・でも、そのまんまを描いてはいけない!と判断した幼い私は、空想してイメージを絞り出し、「笛を吹くおじいさん」の絵を描いたのでした。

 

それが『4羽の白鳥』だと知らなかったら、もっと自由に楽しくイメージが浮かんだかもしれないのに・・・知ってしまったばっかりに・・・

 

今朝のラジオで  ー最近の大学生は一日のうち本を読む時間がゼロの人が多いー  という調査結果が話題になっていました。それが本当かどうかはわかりませんが、本を読むのは慣れもあるし、何より楽しいです。本を読むことの素晴らしさの1つは、想像力を育むことだと思います。

子どもの頃からさまざまな本を読み、場面を空想する。子どもは見たこと聴いたこと読んだことを映像にして物語りを作り、世界を楽しみます。そして思春期から大人に向かって文学に親しむと、本の世界で多様な人間の葛藤や幸せ、感情や思考の体験をします。そこでさらに想像力、中には創造力を鍛えられることもあると思いますが、いずれも現実には体験できないことを体験し、感じ、知り、豊かになっていくのではないかと思います。そしてね、その想像力は、身の周りへのささやかな思いやりを育てているんじゃないかな。

相手の気持ちや雰囲気、印象をうまくキャッチしたいなら、本や音楽、そして絵を見ることが、実はとても身近な練習になるかもしれませんよ♪