嘘のように美しい本当

なんだか正体はよくわからない、約束したことを信じていてよいものか、こっそり安全ネットを用意すべきかもわからない。でも、その人が作ったものを見るだけで、その色に、絵に、カタチに、心の奥の奥の奥が共振する。ワケもなく嬉しくなって、元気が出て、気づいたらクスクスとひとりで笑っている。

 

 

作ったものにも、話す声にも、文章にも、人は現れる。

 

 

そうとしかいられない、そうでしかあり得ない在り方でいる。

 

不器用なような、デリカシーのカタマリのような、パンクのように、たったひとりで立つ強さのような・・・

透明でキラキラ光る石を抱いている。

嘘のように美しい本当を抱いている。

そんな人たちは憧れであり、同時に私でもある。

 

大人は、巧い嘘がつけるより、大ボラを吹けるのが愉快でいいな。

 

 

 

【ヒエロニムス・ボスとブリューゲルが大好きだ!】

 

しばらくマエのはなし。
「ニルスの不思議な旅」実写版を観た。
チグハグな実写と人形。
ヘタクソな合成。

 

とても、2016年公開とは思えなかった。それを食い入るように繰り返し観てる子供達。最先端のCG満載の(古代エジプトもの)には、興味を示さずに。晩酌をしながら観ていて、馬鹿にしていた自分が恥ずかしく成った。

 

空想はそもそも嘘です。
CGは嘘を本当に魅せようと一生懸命。

 

子供がつく嘘はバレバレ。
愉快な空想だ。
でも時々、嘘の様に美しい本当がある。

 

CGは大人のつく嘘だと思った。

 

大人に成るにつれ、ついた嘘の数も増えた。

 

そんな自分にとって、子供と仕事は、最後の砦だと思った。

 

本当に魅せようとする嘘は実にくだらない。

 

空想の中の嘘は愉快だ。

 

 
 (下和弘さんのFacebook から)