中尾陽一さんの 絵画鑑賞入門講座は2月、3月とセザンヌ を取り上げています。
2月最後の日曜日の中尾流では、まずスライドでセザンヌの初期から
全体の作品に目を通しました。
一人の画家のごく若い頃の画風が、時代と共に変わって行くのを見る。
フィルムの早回しみたいにざっと見るのって結構面白いんですよ。
中尾先生が「セザンヌを好きな方?」と尋ねると、
はっきり、好き、という方はおひとりだけ。
名前や作品は教科書でも見ているし、何となく知ってはいるけれど…
というのが全体の感想でした。
セザンヌって、大きな展覧会では必ず一点くらい出品されている画家なんですね。
セザンヌは近代絵画の父、と言われているんです。
それまでの画家たちが絵画で表現しようとしたこととは全く違うものを、
セザンヌは描くことで試み、それがピカソなどの近代美術の源になったから。
(ちょっとおおざっぱ過ぎかな)
この中尾流は22回目を迎えたのですが、継続参加者の方達の意見や感想が、
以前とはちょっと違って来たな、と感じました。
それぞれご自身の目で見たことをご自分の言葉でハッキリ話している。
誰かやどこかからの引用ではなく。
テーマはセザンヌでしたが、その流れで中尾さんが原点となるお話をして下さった
お話がとても素敵だったんです。
それは、当り前のようですが、
美術とは、楽しくなるもの、美しいもの。
ということ。
少なくともこの講座で取り上げる二次元の絵画表現(平面に3次元を描く絵画)に
関してはね。
考えたり、勉強する、というスタンスよりも、
これを見てどう感じる? 気持ちよい? きれい?
それとも違和感がある?(これ、とても大切です)
そして、好き? 嫌い?
まずはそこからでいいんですよ、と。
そう、プロトマニア的にも、芸術をお勉強にしてしまったらちょっと残念。
分析して味をみるのは、ちょっとつまらない。
まずは感じる、そしてそれをサラリと支えるのが、知的情報。
何より、まず見ること自体を楽しむことが大事なのではないかな、と感じました。
プロトマニア的には、まさに自己の本質に迫るルートの一つが「芸術」です。
芸術も哲学も人工知能の研究も、みんな「人間とは何か?私とは何か?」から。
それはさておき、
中尾さんの先生っぷりは素晴らしくて、ホレボレです。
知性と感性のバランスがお見事です。
良い先生との出会いは、その後の「あなた」を「わたし」を、変えちゃうから、
プロトマニアは本当に良い先生をお迎えしていると思います。(大いばり!)
というわけで、次回は3月27日(日) 午後1時から3時30分まで です。
絵画鑑賞を、のんびりゆったり、そしてとっても自由に、楽しんでみませんか。
ぜひ一度、いらしてくださいね。
初めての方、大歓迎ですよ〜 ♪
*♪* 2月の中尾流の様子は、プロトマニアの facebook からご覧ください。