いつもある歓びと共に

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今、個展をしている女性の陶芸家はベテランで70代。

ギャラリーに作品を搬入して、梱包をあけて、展示しました。

彼女は、展示された一つ一つの作品を、

遠くから近くから眺めたり、手に取ったり、

頬ずりするようによしよしとさすったり。

 

これいいでしょう〜、とってもよく出来たのよ〜、これも素敵なの〜。

これは形がすっごくきれいでしょ〜、作るのが楽しくて楽しくて ♪ …

 

と、私といい勝負の(笑)自画自賛。

それはそれは本当に素晴らしい、自画自賛!

歓びが黄金色の杯からきらきら溢れ溢れているように。

 

そうして歓びと共に作られたひとつひとつの作品は、

どれもこれも、瑞々しくてエレガント。

私のなけなしのお金で買うなら、こんなに風に生まれた作品がいいな!

 

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彼女は赤ちゃんの時に、半分死にかけていたのを、

家族みんなが懸命に助けて、ようやく命を繋いだのだそうです。

そんなわけで、

「あなたが生きているだけで嬉しい」

と言われて育ったのですって。

そして現在も決して健康そのものではないのですが、

 

「だから、生きているだけで嬉しいのよ」

 

と。

 

 

母も、お医者に16歳まで生きないと言われた私の兄を抱えて子育てをしました。

私にとってはあまり「お母さんらしくない」お母さん。

「ようこのお母さんは昔から変わってたよね」と言われる母なので、

私はちょっとばかり寂しくてひねくれて、

母のことをずっと受け容れられませんでした。

でも今思うのは、

 

お母さんだからこうあるべき、こうするべき、子供を一番に優先すべき、

妻だからこうあるべき、こうすべき、家庭を優先すべき…

 

と、責任や義務も深い愛情ゆえで美しいけれど、

 

それを歓びと共にすること。

 

何をしていても、まずそれがあれば、ただ オッケー♪ なのだろうな。

それでパーフェクトなんだな。

 

 

フランスでは惨事があり、世界が言葉にできない沈痛さに包まれました。

パリはどこを見ても絵になる美しさがあります。

猥雑さも、洗練もあって、すべてがあるから美しい街。

神を求めて正義のために戦ったジャンヌ・ダルクの国。

もう「正しさ」のために戦うのはやめて、

いつもすぐここにある歓びとともに、joie de vivre (生きる歓び)を、

と祈らずにはいられません。