
マハラジ:
ならば迷うがいい。あなたが有能で自信があると感じているかぎり、
実在はあなたの手の届かないところにあるのだ。
あなたが内なる冒険をひとつの生き方として受け入れないかぎり、
発見はあなたに訪れないだろう。
質問者:
何の発見でしょうか?
マハラジ:
あなたの存在の中心の発見だ。それはすべての方向、すべての手段と結果から自由なものだ。
質問者:
「すべてに成れ、すべてを知れ、すべてを持て」でしょうか?
マハラジ:
「何にも成るな、何も知るな、何も持つな」だ。
これが唯一生きる価値のある生き方、唯一手にする価値のある幸福なのだ。
質問者:
目的が私の理解を超えたものだということは認めましょう。少なくとも道を示してもらえませんか。
マハラジ:
あなた自身で道を見いださなければならないのだ。
あなた自身で見いださないかぎり、それはあなた自身の道ではないだろう。
そして、それはどこへもあなたを導きはしないだろう。
誠実にあなたの見いだした真理を生きなさい。
理解したわずかなことにしたがって行動しなさい。
あなたを導くのはほかの誰かの賢さではなく、あなた自身の誠実さなのだ。
質問者:
私は過ちを犯すことを恐れるのです。とても多くのことを試みてきましたが、
何にもなりませんでした。
マハラジ:
あなたはほんのわずかしかあなたを捧げていない。単に興味があるだけで、誠実ではないのだ。
質問者:
それ以上良い在り方を、知らないのです。
マハラジ:
少なくともそれくらいは、あなたも知っている。
それが表面的なものであることを知り、あなたの体験に価値を与えることはやめなさい。
体験が過ぎしだい忘れなさい。
清らかな無我の人生を生きなさい。ただ、それだけだ。
質問者:
倫理がそんなに重要でしょうか?
マハラジ:
騙してはいけない、傷つけてはいけない それは重要なことではないかね。
何よりも、あなたは内面と外面の調和する内なる平和が必要なのだ。
あなたの信じることをしなさい。そしてあなたのすることを信じなさい。
それ以外のすべては時間とエネルギーの浪費なのだ。
I AM THAT Talks with Sri Nisargadatta Maharaj
『記憶と期待を放棄しなさい 』 より抜粋