
「今に意識を集中させる」ということは、「人生ですべきことを、なおざりにしてかまわない」
という意味ではありません。あくまでも、なにが重要かを認識することです。
そうすれば、リラックスして、副次的なものに取り組むことができます。
これは、決して、刹那的な生き方を指すのではありません。
「もう物事に取り組むのはやめました。『いま』さえ良ければ、それでいいんです」。
そうではなく、まず、なにを優先すべきかを見つけるのです。
そのうえで、「いま」を自分の敵にまわすのではなく、友とするのです。
「いま」を認識してください。「いま」を貴んでください。
「いま」が人生の基盤となり、最重要のフォーカスとなるなら、
人生は平和に展開してゆくでしょう。
ほとんどの人は、「いま、この瞬間」を「いま起こっている出来事」と錯覚しています。
でも、このふたつは別のものです。「いま、この瞬間」は、そこで起こる出来事よりも、
ずっと奥深いのです。「いま、この瞬間」は、出来事が起きている空間なのです。
ですから、「いま、この瞬間」を、その内容と混同してはなりません。
「いま、この瞬間」は、その中で起こるどんな出来事よりも、深遠なのです。
エックハルト・トール著 「Stillness Speaks 」 より抜粋