
昨日、ちょっと面白かったこと。
夜の帰り道、ふと建物の二階を見るとネオンのような光が、滝のように流れています。
ぱらぱらと点滅しながら滝のように光が流れている。
きれいだなぁと思ってその横を通り過ぎた時、
実はその光の滝は、電光掲示板の流れる文字の点滅だとわかりました。
斜めから見たら綺麗な光の滝だったのに、
正面から見たら凡庸なセリフのキャッチコピー電光掲示板。
私たちが見て確かだと疑いもしないものは、実はこんな風にできているのかもね。
「人間は時間を直線として捉える。長いまっすぐな棒に刻み目を付けるみたいにね。こっちが前の未来で、こっちが後ろの過去で、今はこのポイントにいる、みたいに。それはわかる?」
「たぶん」
「でも実際には時間は直線じゃない。どんなかっこうもしていない。それはあらゆる意味においてかたちを持たないものだ。 でも、僕らはかたちのないものを頭に思い浮かべられないから、便宜的にそれを直線として認識する。 そういう観念の置き換えができるのは、今のところ人間だけだ」
「でもわたしたちのほうがまちがっているのかもしれない」
1Q84 BOOK3<10月‐12月> 村上春樹著より